ここのところ、頻繁におうちミュージカルをやってるので、そのあたりに、いろんなものが散らばっております。
その中のひとつ。サイン入りの『CATS』のプログラム。
家宝です。
未亡人1年生が考えたこと
1996年というのだから、いまから26年も前のことになります。
わたしゃ、まだ39歳だよ!
どんだけ、若かったんだろうか。
なのに、未亡人1年生なんて見えない名札をペタリとくっけてる。
ああ、ふびんでならぬ(笑)
当時のことを語りだすと長くなるので、端折るけれど、とにかく、まあ、夫が死んで1年半が過ぎていました。
とにかく、前に進みたい。新しくなりたい。そのためにも、何かしたい。
そうだ!3人で新しい趣味を作ろう。
2人の息子。
そのあたりに寝転んでは、漫画本を読み耽っている、2人の息子。
男の子なんて、そう遠からず母親の元を離れていくだろう。きっと話も合わなくなっていくだろう。
でも、せっかくこの世で得た縁でございます。
ひとつくらい共通の話題があれば、いつまでも仲良くできるのではないかしらという下心。
そうだ!3人でミュージカルを観よう。
2人の息子が大人になってからも、親子でミュージカルの話をしてるなんて、ちょっと洒落てるかも。
それまで子ども向けのミュージカル『アニー』とか『ピーターパン』などは観せていたので、一応劇場マナーは学習済み。
もう、本格的なミュージカルの観劇に出かけても、いいよね。
『CATS』を観よう!
劇団四季の『CATS』はどうかしら。
猫が出てくるんなら、子どもでも観られるんじゃないかと。
事前に予習すると、感動が減るような気がするので、まっさらな気持ちで観ることにしました。だから、内容はまったく知らず。
実はわたしも本格的なミュージカルを観るのは、初めて。いや、そもそもまだ本格的なミュージカルがなかったのです。
劇団四季に電話予約をして、チケットを届けてもらって、そして向かった2月3日の夜公演。
この日から、わが家の共通の話題はミュージカル。
思い描いていたとおり、ミュージカルの話題さえあれば、親子間での会話が途切れることはありません。
10年くらいの間に、3人で観劇に使ったお金は、100万円まではいかず。
一度にかかる観劇費用は5万円くらい。観劇費用にはチケット代、交通費、食事代、お土産代などが含まれます。
20回で100万円。正確には数えていないので、観劇回数は推定値ですが、そんなものだと思います。
費用に対しての効果は、なかなかのものだと思っています。
いくつか、自分の過去の決断を自画自賛していることがありますが、ミュージカルを息子たちと楽しむことにしたのは、その中のひとつです。
猫の世界に入り込む
さて、26年前の、冬の品川駅に降り立った親子3人。
灯りに浮かぶ劇場までの一本道を、ぴょんぴょんはずみながら歩いていく黄色いコートの次男。少し後から行く母親と長男。
劇場に入って、まずはプログラムを買いました。
そして席に着く。
後から数えた方が早い、舞台に向かって、右側の席。
周りを見渡してみると、小学生らしき男の子なんて、うちの2人くらい。そもそも子どもの姿がない。
あれ?もしかして、子ども向けじゃないの?
でも、ま、いいんです。
- おとなしく座っていれば、オッケー。
- 寝てても、オッケー。
- 劇場の空気を感じてくれたら、オッケー。
- カーテンコールの感動を味わえたら、オッケー。
そうこうしているうちに、真っ暗になりました。
CATSの始まりは、とってもユニークです。
真っ暗になった客席のあちこちから、猫が登場してきます。ピカピカ、目を光らせながら。
客席も猫の世界の一部。壁には猫目線のものが貼り付けてありました。
ゴキブリたちのタップダンスとか、どろぼう猫の2匹とか、とても覚えられないような名前の猫たちが次から次に登場してきます。
歌とダンスだけの、ストーリーがあるような、ないような内容。
その世界観に圧倒されているうちに、あっという間に一幕が終了。
息子、サインを手に入れる
ところが、一幕が終わったのに、長老猫が舞台からはけずに、座ったままなのです。
長老さん、水を飲んでる(@_@)
そして、客席から、何人か、舞台に登っている。
なにが始まっているの?
そう思ったときには、すでに長男が早足で舞台に向かっていました。
そして、案内係のお姉さんと何か話して、興奮したようすで戻ってきました。
「プログラムにサインだ!」by 長男
プログラムをわたしから奪い取って、たじろいている次男の手を引いて、かけて行きました。
いよいよ2人の番。
まずは非積極的な次男に握手させて、そして自分も握手している。
1冊のプログラムで2人分の握手。なんて、ズーズーしい(笑)
当時はインターネットも、まだまだの時代。行ってみなければわからないことばかりでした。こんなことが行われていたとはね。
役者さんと触れ合えるなんて、それはそれは大変なこと。
「頑張ってくださいって言ったよ!」
2人の興奮はそのまま2幕へと。
11歳の特性は続いている
小さい頃から、ぼーっとしている長男でした。
だけど、何か思うことがあると、早いのです。躊躇しないのです。猪突猛進。どうも、これは父親譲りのようです。
行動傾向は、わたしには全然似てないし、本当に理解しづらい子どもでした。
そして、実にそのまんま、大人になりました。
もちろん、いまでも、変な人であることに変わりはありません。
でも、思えば、この体当たり精神で、扉を開けてきたのです。親の力をあてにすることもなく。
子どもは育つように育つもの。
そして、2人の姿を客席から眺めながら、父親がいなくても、これならなんとかやっていけるかもしれないと感じたことも思い出します。
さて、『CATS』の内容ですが、もちろん理解したとは言えず状態でした。
一度目の観劇で3人が記憶に残せたのは「鉄道猫」の歌だけ。
スキンブルシャンクスが歌う、夜行列車に乗り込んでいる猫の歌です。
“♪夜行列車のキャッツ!”と、自宅まで3人で歌いながら帰りました。とても覚えやすいメロディ。頭に残るメロディ。
ミュージカルの世界では、すぐに口ずさめるような印象的な曲が1曲あると成功だと言われているそうです。
翌日から、記念にと買ってきたCDを聴きながら、だんだん『CATS』の内容がわかってきました。猫の名前も覚えて行きました。
このCDを今でも聴います。
知るほどに面白さが増す『CATS』。
二度目に観たときには、感動は3倍くらいに膨らみ、結局、何度も何度も観ることになりました。
当時、お金に余裕のある暮らしをしていたわけではありません。むしろ切り詰めた暮らしをしていました。先のことを考えると、心配ばかりで、ケチケチ暮らし。
どこから観劇代を出す?
よき言い訳を思いついたのです。
予算は教育費として計上。
塾に行かない分を観劇代に回すことにしたのでした。
それから、数年がたち、わが家に住み着くことになったメス猫。
次男が提案した名前はシャンクス。
もちろん、反対する者はなし!
そんな、シャンクスも、天上の猫となりました。
“♪夜行列車のキャッツ!”
最近ではたっくんも一緒に歌ってくれます。
今から歌を教え込み、いずれデビューさせたいと目論んでおります(笑)
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りっつんさん!こんにちは。私も初めて見たミュージカルがCATSでした。
あれから26年、りっつんさんと同じく何度足を運んだことでしょう。
今でも一番大好きなミュージカルです。
心が震えるということを初めて体感したのもCATSでした。
子供の頃にCATSを見ることができた息子さんたちは、本当に幸せです。
何にも代えがたい体験(宝物)です。
ところで
今は天上界に行った女王シャンクスも、あちらでは新人シラバブ的ポジションでしょうか(笑)
なんて考えると楽しいですね。どこにいってもモテモテシャンクス。
あっ たっくんには是非ラム・タム・タガーになってほしいな!
しおさん
おはようございます。
2階の端っこの席(3000円)が好きでした。
猫が確実に出てくるのですよ(笑)
観るたびに、心が震えるポイントが違っていました。
ガスの昔語りで震えたり、最後の歌で震えたり。
もちろんメモリーでは泣き震え(笑)
ラムタムタガーに手を引かれて、舞台に上がってみたかったわ〜。
語り出すと、止まりませんです。
体験こそが宝ですよねヾ(@⌒ー⌒@)ノ
RIMOです。
親子で観劇いいですね!
私も、子供たちを芸術に触れさせたいなぁと漠然と思ってはいたものの…結局、次女と三女は観劇未経験のまま。
りっつんさんの記事を読んで、パンデミックが落ち着いたら、一緒に観劇に行ってみようかなと思いました!
長男さんの当時の行動力、素晴らしいですね!頼もしい!!
観劇は、劇を観るだけではない。非日常であるからこその経験の玉手箱ですね!
RIMOさん
おはようございます。
3人で、ぜひぜひ行ってください!
3年ほどまえには、孫娘たちとライオンキングを観ましたが、
ほんとうに良い思い出になりました。
長男も、こんな経験を通して、
ズーズーしい男に育ったのかもしれません(笑)
劇場には、何かがあります!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
こんばんは はじめまして
いつも楽しく拝見しています。りっつんさんの素敵な暮らしは憧れです。歳を重ねることは豊かさを積むことだと実感します。
私も品川でオールドデュートロミー様からサインをいただきました。その時は大学生。前の日にサンマの刺身にあたり,全身蕁麻疹になって,それでも根性で出かけたことが忘れられません。数年後,次のキャッツはムスメと。にゅっと出てきた猫にびっくりして泣き出したムスメの顔が今でも目に浮かびます。夢から覚めた夢,美女と野獣,マンマミーア…たくさんたくさん連れて行きました。お金はかかったけど,作戦成功。ミュージカル大好きっ子に成長し,最近では,ハハを置いて,1人でレミゼを観に行くようになりました。私は四季から宝塚へと移行したのですが,私の鼻歌を聴いて,観たこともない宝塚ナンバーを歌っております。
私の次なる夢は,大学の卒業旅行で行った,ウエストエンドをムスメと旅すること。四季の機能的な劇場もいいけれど,ロンドンのザ劇場!という空間でミュージカルを一緒に観ることを密かに夢みています。
忙しない毎日でりっつんさんのブログを拝見するひとときが癒しです。ブログ楽しみにしています!長々と失礼いたしました。
ゆきたろうさん
はじめまして。
ゆきたろうさんも、サイン持ちなのですね。仲間だあ〜(笑)
オリジナル作品では「ユタと不思議な仲間たち」が好きでした。
宝塚は4〜5回くらいかなあ。
大階段でのラストでは、鳥肌経ちました。
あんな大きな羽をつけて、スタスタ降りてくるかっこよさ!
レミゼもいいですよねえ。
娘さんは四季から東宝系ですね。
熱くなっていたころには、昼に帝劇、夜に劇団四季ってことも(笑)
わたしもロンドンでみてみたいなあ。
死ぬ前に一度くらいは海外観劇をしてみたいかもヾ(@⌒ー⌒@)ノ
はじめまして!初めてコメントさせていただきます。
CATS、僕も大好きで28歳ですが年甲斐もなく、スキンブルシャンクスのメロディが流れると踊りたくなってしまいます。
僕が初めて見たミュージカルがCATSで、りっつんさんのブログを読んで初めてミュージカルを見に行った時のことを思い出しました。
ミュージカルの効果って本当にすごいですよね。1回1万円程度で、何年もあとになっても思い出してホワホワ楽しめますから。
とても心があったまるようなりっつんさんのブログを読んでいつも癒されています。
僕もりっつんさんのブログをある動画で知ってからブログを始めてみました。そしえモチベーションがなくなった時には、それをみて自分を奮い立たせています。
オススメブログとして紹介させていただきました。
なんだか乱雑な文章になってしまい申し訳ありません。これからもブログの更新楽しみにしています。
大丈夫さん
はじめまして。
コメント、ありがとうございます!
某サイトから、ようこそ(笑)
大丈夫さんが言うように、
ミュージカルって、考えよえによっては安いですよね。
1万円で、長く長く楽しめるんですから。
「モーニングティー薄め?」と聞かれたら、
必ず「濃いめ!」って答えてしまいますよね(笑)
どうぞ、ブログを楽しんで長く続けてくださいねヾ(@⌒ー⌒@)ノ
りっつんさん、はじめまして!
私が北海道四季劇場で観劇していたのはおそらくりっつんさんの数年前…同級生のご家族が四季の会に入っているということで、何度も連れていってもらいました。
そう、デビューはCATSでした!それからオペラ座の怪人!!山口祐一郎さんの怪人がもう…内容が理解できていたとは思えませんが、悲しく美しいメロディーと歌声をいまだに頭の中で響かせることができます。
北海道四季劇場はなくなってしまいましたが、最終公演のリトルマーメイドを観劇することができました。久しく遠ざかっていましたが、やはり生の舞台は最高でした。子どものころに演劇で見た木の実ナナさんも素敵だったなあ。
エッセイ、支店さんのお話、お料理やお気に入りのこと、どの記事も楽しく(ときどきこっそり泣きながら)読んでいます。シャンプーやマヌカハニーはさっそくまねしちゃいました!
私もご機嫌な婆を最終形態としたいです。またおじゃまします。
どさんこさん
おはようございます。
なんですって、山口ファントムですって!
うらやましすぎです。
わたしも生の山口ファントムを見てみたかったよ〜。
リトルマーメードは観てないんですよ。
どこかでチャンスがあったら、観てこよう。
舞台からほんとうに熱を感じることがありました。
役者さんたちのエネルギーってすこいんだなあって。
木の実ナナさんもかっこよいですもんね。
ああ、舞台の話をしていると、話が尽きません。
どさんこさんと向き合って話している錯覚に陥ります(笑)
いつも読んでいただいて、ほんとうにありがとうございます。
機嫌のいい婆、悪くない目標ですよね( ̄^ ̄)ゞ
また、いつでも、どうぞ!
りっつんさんと「CATS」のご縁がわかって幸せな気持ちになった今日のブログでした。
私も昔、家族を亡くした折に なぜか急にお芝居とかコンサートとか、あまり興味がなかったエンタメにハマったことがあります。旅行会社勤務だったので、仕事でもプライベートでも旅行はかなり行っていたのですが、それまでの人生にあまり時間を割いてこなかったエンタメに傾倒する様になりました。
キャッツは一人でも楽しめるミュージカルですね、
りっつんさんほどは回数見てないですが、上海で観た「猫的世界」もなかなかでした。歌と踊りで楽しませてもらいました。
こんなご時世、旅行もすっかりご無沙汰です。
年齢的にもあんまり移動を好まなくなってきました。
でも身近に、本やコンサートや演劇、ミュージカルの世界に旅することはできる。
男の子達も子供の時に楽しい経験をさせてあげると一生エンタメを楽しむひとになれますね。
関西のええとこのボンボン達が、ちびっこの時ママやおばあちゃまに連れていかれた宝塚を一生愛するように。
たっくん、しっかりと仕込んであげてください
あん菊さん
こんばんは。
エンタメって、別の世界に連れて行ってくれますよね。
ミュージカルの話ができるのは、本当に楽しいです。
わたしは旅行があまり得意ではなく、
いろんな場所を知りません。
でも、ミュージカルを観るためなら、行けそうな気がします。
上海の「猫的世界」、観たいなあ。
関西のボンボンたちは、宝塚にハマるんですか。
なるほどねえ〜。
宝塚も楽しいですよねえ。
ああ、今すぐにでも観たくなってしまいました。
たっくんと観劇して感激したい!(笑)