データ保存願望は、不死への願望?

養老先生の『遺言』を読み直してみました。

 

意識って何?

「意識」ってなにって、最近とくに思います。どこまでがわたし?わたしって何者?

意識という「照明」はついたり、消えたりする。眠ると消えてしまい、起きると点灯する。死んだら意識はもはや戻らない。眠るときに、われわれは明日目が覚めると思って眠る。でも寝ている間に心筋梗塞やくも膜下出血で死んでしまうかもしれない。それが分かるのは他人だけである。「俺は心筋梗塞で死んだなあ」。本人の意識はそれに気づかないはずである。

出典:「遺言」養老孟司

意識は眠ると消えてしまい、起きると点滅するもの。意識が戻ることを目が覚めるというわけですね。

意識は自分で戻ろうと思って、戻るものではない。勝手に意識はなくなったり、意識は戻ったりする。つまり意識は主体性がなく、身体任せ。ということは意識は身体に支配されてるってこと?

なのに意識は意識があると自分が意識を支配している、一番エライと思ってるらしい。なかなか面白いですね。

自分ってなに?

 

金縛りにあったこと、ある?

さて、皆さんは金縛りにあったことがありますか?

ズバリ、わたしはあります。(`・∀・´)エッヘン!! 

縛られました。

あれは高校生のころでした。続けて三度ほど、縛られました。

目が覚めているのに身体が何者かに押さえつけられて動かない。恐怖を味わいました。しかし、思えばあの時以来、縛られてはいないかな。

縛った、縛られないと、なんのこっちゃな話ですが、わたしはこの体験ですっかり霊感が身についたと思っていました。

そして大人になって、霊感を失ったのだと思っておりました。しかし、どうも違うみたいなんです。

養老先生の解説によれば、金縛りというのはこんなことらしいです。

金縛りという現象がある。(中略) 意識は戻っているが、運動系のはたらきが完全には戻っていない。意識のスイッチは入っているが、運動系のスイッチがまだ入っていない。

(出典:同上)

なあ~んだ。そういうことだったのか!なんとなく納得しました。

スイッチの入るタイミングがズレただけ。高校生のわたしは、身体的に何かがまだ未熟だったからでしょうか。

そして、似たような現象として臨死体験があるというのです。

さすがにわたしは臨死体験を経験したことがありませんが、金縛りの延長線上にあると言われれば、体験してみたい気もしますね。怖くないという保証があるならですけど。

タイミングのズレ。

意識と運動系が連動しないことがすべての原因ということですのようです。

でもなあ・・・・。そうと断言はできないんじゃないの?ということにしとこう。

やっぱり「あの世」とか全面否定しないほうが物事を考えるときには楽しかったりするから。

死んで、全部おしまい・・・っていうのも、無機質でつまんないですもん。

わたしはロマンチストなんです。命は続くよ、どこまでも。死んだ人にはいつか再会できる。そのほうが夢がある!

 

デジタル化するのは、なぜ?

いま、わたしたちの社会はひたすらデジタル化に向かっています。なぜ人はデジタルにあこがれるのか?

それは「不死へのあこがれ」であると養老先生は語っています。

わたしはコンピューターに不調が訪れると、データをコピーしてはどんどん新しいコンピューターに乗り換えていく。

人間でいえば、身体が滅んでも頭の中が死なないということを目指しているらしい。知らず知らずのうちに。((((;゚Д゚)))))))

デジタルの最たるものであるコンピューターはすでに不死を実現しているということ。

確かにわたし1人が残しているデータも結構な量ではあります。

ほんの一瞬見たものさえも、とどめておきたいと願う人の心。記憶を残したい願望は不死につながっていると言われれば、そんな気もします。

人はいったいどうなりたいのでしょうか。

「方丈記」の一節をよくつぶやかれているという養老先生。

『方丈記』 冒頭

行く河の流れは絶えずして、しかも、もとに水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし。人と栖(すみか)と、またかくのごとし。

わたしもよくつぶやいています。

人も家も、久しくとどまることはなし。なにひとつもあの世へ持ち込むことはできない。例外はなし。誰も同じ。潔いこの世の仕組みにバンザイ(笑)

こんな雨の降る日には、『方丈記』を読み返すのも悪くないかも。

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りっつん

1957年生まれの60歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。好きなミュージシャンは山下達郎。 時々、3歩あるくとすべてを忘れる「とりっつん」に変身してしまう。