『すごいトシヨリBOOK』を読んで、楽しく老いる秘訣を探してみる。

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「すごいトシヨリBOOK」は、池内紀(おさむ)さんが書かれたエッセイ。池内さんはドイツ文学者でエッセイストです。昨年8月に78歳で亡くなられました。

わたしは積極的に老いたいとは思っていませんが(笑)、老いることは自然現象ゆえに、否定してもしょうがないと思っています。「アンチエイジング」という言葉は好きじゃないです。アンチってなんだよっ!と思っています。

静かになだらかに老いることが、わたしの願い。

老いたからこそ見える景色とか、老いたからこそたどり着いた思考とか、そういうものを味わいながら、できれば、かっこいいトシヨリになりたいと願っているのです。

自分が人生という山を登ってると仮定して、自分が今どのあたりにいるのか、イメージしてみます。

わたしの頂上は55歳くらいだったような気がしています。息子らが離れ、わたしの大仕事は終わった、あのころ。そして孫にも出会えたあのころ。

あのころから、わたしは下りに入っているように実感しています。もう登ってはいないという感覚があります。

ここからどれだけの時間をかけて山を下りきるのかは、神のみぞ知るです。もしかすると、明日あたり、転げ落ちて、下山完了ということも、ないわけではないですね。

さてどうやったら、下りの景色を楽しめるか。こんな時は先人たちの歩いた道を見せてもらうことにします。

ということで、この本が目についたというわけです。

池内さんは70歳になると否応なくトシヨリだと書いておられます。70歳を過ぎると老いの問題が切実になってくると。

そして池内さんは、老いに対しては抗うのではなく、老いに対して誠実に付き合うべきだと語っておられます。

池内さんは70歳の時から、自分を客観的に観察することにしたそうです。

70歳の時に『77歳の時にはこの世にいない」ということを前提にして予定を立てたそうです。そんな予定の立て方も面白そうです。

実際には78歳で亡くなられているので、その予想もまんざらではなかったのでしょうか。

今のわたしなら何歳を目安にしましょうか。「75歳にはこの世にいない」ということにしてみましょうかね。

そういう区切り方をすれば「いつかしよう」ということはなくなります。

「旅に出たい」と思ったら、すぐにでかけないと時間切れになってしまいます。

ピアノもせっせと練習しないとステージに立てずに終わってしまいます。

急かすわけではないけれど、小走りくらいはしないと。

「下り坂の楽しみは自分と向き合うことから始まる」

老いの特性は「群れたがる」ということだと、しかし老いた人が群れても何も生まれないと池内さんは厳しく提言しておられます。

「群れるのをやめて一人ひとりが自立する。そうすれば何かしらのプラスが生まれるかもしれない。」

覚悟を持って生きればいいのだと、池内さんは教えてくれます。

笑える面白い話が満載でした。オススメの1冊です。


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りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

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3 件のコメント

  • 人生という山を登っているは良い例えですね。
    私の頂上は60歳で、自分の力量を知った時でもありました。
    その後はオマケの人生。
    思わぬビックリポンもあり(笑) 
    現在はこのまま平穏に過ぎて、いつかベッドの上で静かに死ねたら良いな
    と思ってます。
    群れるのを止めて自立して生きるって、若い頃からその精神で生きて来た人は
    出来ますが、何事も老齢になってからは、なかなか難しいと思います。
    強制的に自立させられる場合もありますが(笑)

    • ののかさん

      おはようこざいます。
      思わぬピックリポンって、なんでしょうか。興味あります(笑)
      確かに自立は一日二日でできることではありませんね。
      わたしは子供の頃から群れるのが苦手で、
      群れるほうがはるかに難しいです。
      もしかすると、群れる、群れないは、
      性格も関係しているかもしれませんね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。