「すぐ死ぬんだから」→「まだ死なないんだから」

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昨晩はカルメン婆さんと長電話。

秋の入り口で、年寄り2人の長電話。

2人の姿は絵にはならぬが、文字には化ける。

 

どんな人でも汚くなるよね

「テレビで年取った女優さんたちを見かけると、この人もやっぱり老いるのねと思う」というご発言はカルメン婆さん。

わたしもそう思うよ。

テロップに「62歳」という文字を見ると、「世間的にはこう見えるんだ」と自分のことを棚に上げては驚くしね。

「自分の加齢臭を髪に感じる」というカルメン婆さんは、せっせとシャンプーに励んでいるらしい。

自分の匂いをちゃんとチェックしているのは、おしゃれなカルメン婆さんならではだ。

確かに、年齢を重ねると、頭皮が発する匂いはキツくなるような気がする。それが加齢臭と言われれば、そんな気もする。

わたしも毎日シャンプーしてるよ。

だけど、どんなに頑張っても、時間は止まらないし、劣化は進む。

毎日、着々と劣化している。劣化が止まるのは、呼吸が止まったとき。なんともシビアな現実だ。

 

写真の秘密

「自分の後ろ姿の写真に驚いた」というカルメン婆さん。

「年寄りだった(´・ω・`)」と言う。

「でも、これが真実なんだよね」と、心にもないことを言う。

真実でないってば。目が悪くなっただけだよ。

実は最近、わたしも自分の写真を見て驚いたばかり。

わたしの長男はわたしの写真を撮るのが、絶望的に下手くそだ。

なぜなら、あいつがわたしを写すと、めっちゃ、婆さんに映るのだ。写真を見たくないほど、婆さんに写すのだ。嫁は美人に写すくせに!

「もう少し、ちゃんと写して!」と言ってるのだが、ますます下手くそになっている。

先日も、孫娘と一緒の写真に驚いた。

まるで、婆ちゃん!

戸籍上は、間違いなく婆ちゃんなんだけどね(笑)

そして、しばし、写真を見ながら、わたしはある発見をした。

息子がわたしの写真を写すとき、ほぼ、わたしのそばには、嫁とか孫がいる。3人とも女だ。若い女と若すぎる女。

つまり、対比の問題であるということに気づいたのだ。

あの人たちと一緒に映ると、婆色がより鮮明に出てしまうのである。

カルメンよ、もっと年齢を重ねた方々とご一緒すれば、若く見えるかもしれないよ。

 

まだ死なないんだから

だけど、60歳はやっぱり60歳だし、70歳はやっぱり70歳だ。

いろんなことが、ますますめんどくさくなるお年頃に突入しちゃったようだ。

「もうどう見えてもいいわ」という気分になることも、そこまで接近している。

こんなときの素敵な免罪符は「すぐ死ぬんだから」だ。

このフレーズを小説のタイトルにした内館牧子さんは、センスがいい。

『すぐ死ぬんだから』は80歳を目前にした女性を主人公にした外見に関する物語。

「品格のある衰退」を「美しく老いる生き方」につなげてみようという、ひとつの提案である。

外見を磨くことの意味。

自分に手をかけることの意味。

こんなことを、今一度、自分に問いかけてみようという提案小説だ。

まずは、とりあえず清潔感。

これは老若男女、時代を超えて、大事なことだと思っている。

まずは清潔に。

これさえクリアできれば、平均点以上の老人にはなれそうだ。

そして、若さというカバーが外れてくると、むき出しになる人相。ここは要注意だ。

人相は自分が作るもの。1人で生きているなら、どんな顔をしててもいいけれど、人の世界で生きる以上、表情は大事。

もはや美醜を超える「人相」であるわけだけど・・・・

今までの人生を全面にくっつけて歩いていると思ったら、怖くなってきた。

まだ死なないんだから、少しは相を磨く努力をしとこうかな。

 


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2 件のコメント

  • こんにちは。
    老化、劣化、切実で~す。(;_;)
    人相を(手っ取り早く)上げるには、やっぱり善行と良本でしょうか。
    NHKで久しぶりに柳美里さんを見ましたが
    南相馬で、どんなに尖った中年になっているかと思いきや
    まるで駄菓子屋のオバチャン(良い意味で)ならぬ
    書店「フルハウス」の店長さんでした。
    そして、日本語の語彙と表現力の巧みで深く柔らかく美しいこと!
    本を読まなきゃと思わされました。たとえ読んだそばから忘れようと…汗。
    りっつんさんはきっと良い人相なさってると思うなぁ~☆

    • たいさん

      おはようございます。
      善行と良本。確かにそうですね。
      せっせと「相」をみがかなくてはね。
      ん?相って磨くものでしたっけ?(笑)
      柳さんの言葉づかいは、深いものがありますよね。
      最近はちょっとご無沙汰してますが、また読んでみようかな。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。