毛染めは修行。「楽に死ぬためのコツ」を学んできた。

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3週間に一度の修行。それは白髪染め。

「きつくありませんか〜」と、黒いビニールを首から巻かれ、

「冷たくなりま〜す」と、頭上にたっぷりとカラー剤を塗られ、

食品でもないのに、サランラップをペタリと貼り付けられて、

「30分ほど、お待ちくださ〜い」

わたしの修行はここから始まるのだ。

誰にも見られたくないこの姿で30分間。じっと座っているのは、修行以外の何ものでもな〜い。

じっとしているのが何より苦手。ツラい。根気がいる。こんなことに根気を使ってしまうから、仕事に根気が足りなくなるのだ。

この修行タイムが読書タイムにでもなればいいのだけれど、これまた問題がある。

ラップ頭の上から、老眼鏡がかけられない。

ああ!あああああ!!

「白髪染」とか「老眼鏡」とか、聞きたくも、言いたくもない単語が並ぶ、わたしのブログ。

孫娘のブログなどには絶対に登場しない単語だろう。

あっ。でも、登場する可能性はあるか。

「ばあばが白髪染めに行って、老眼鏡をなくしてきました」とか、書かれないようにしなくてはならぬ。

まあ、いい。話題はそんなことではないのだ。

もっと有意義なこと。大事な話はこれからだ。

30分間を待つ待合所には、ラップおばさんたちが並んでいる。そして週刊誌も並んでいる。

美容院には週刊誌。昔からそういう決まりだ。

最近ではおしゃれな横文字の雑誌も並んでいるが、スタイルが違いすぎて見てもなんの参考にもならない。

さて、「女性◯◯」を開いて、なんとか読めるところを探す。

芸能界の話題など1つくらい拾って帰りたいではないか。帰ってから、まじ専務にしたり顔で披露したい。

目を細めて、焦点を合わせるが、なかなかに困難を極める。大きな文字だけを拾い読みして、わたしはなんとか情報を得ようとする。

と、こんなページを発見。

「楽に・・・死ねる・・・には」

ん?なんだって?

わたしも楽に死にたいと願う1人であるよ。ふわりとあの世に移行したい。

懸命に目の焦点を文字に合わせる。

動け!水晶体。

※水晶体のせいで老眼になっているのかどうかは、存じません。目といえば水晶体なので。

こうしているから、眉間のしわが深くなるんだ。

髪染めて  眉間のしわを 深くする

誰か、白髪染をしている最中にかけられる老眼鏡を発明してくれないかな。

そっか!わたしが発明すればいいんだ。

特許を取って、わたしが億万長者になるというスケジュールも悪くない。

いやいや。違う!そんなことじゃないんだ。

楽に死ぬためには、どうすればいいのかって話だった。

実は、わたしは答えをすでに知っているんだけどね。眉間にしわを寄せながら手に入れた貴重な情報だから、出し惜しんでるの。

じゃ、いよいよ、公開するよ。

「楽に死ぬためには、歯・髪・爪がポイント」

どゆこと?

以下3点を実行している人は、楽に死んでいるという傾向にある・・らしい。

  • 歯をちゃんとケアする
  • 髪をちゃんとケアする
  • 爪をちゃんとケアする

こういう人は、なぜか、楽に死んでいるらしい。あくまで、語尾に「らしい」がつくけれど。

身体の細部にまで気を配っている人→自己管理ができている→(経過忘れ)→→→楽に死ねる

なにもせずには、楽には死ねない時代になっているらしい。

兎にも角にも、自己管理が大事らしいのだ。特に「歯」は大事らしい。

ふふ〜ん。るん♪

わたしは先週、歯医者さんで

「なんの問題もありません。いつも綺麗ですね」と褒めてもらったばかりだ。

わたしは、いつなんどきでも、噛みつけるように、歯は万全の体制にしてある。

これで、楽死資格のチケット1枚目は取得済みだ。

ウヒウヒと喜んでいたら、お姉さんの声。

ラップを外して、染め具合を確認して

「それでは流しま〜す」

お姉さんの声に本を閉じた。これで、本日の修行はおしまい。

ここで楽死資格チケットの2枚目もゲットした。

家に帰ったら、爪を磨こう。

わたしは、完全茶をたなびかせ、きりりとした表情で、ヘアカラー専門店を後にした。

ときは夕暮れ。

太陽が西の彼方に沈みかけているのが、見えた。

チラリと、西方浄土が・・・見えた、気がした。


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りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

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4 件のコメント

  • あるのよ そんなメガネ

    テンプル(つる)が短くて
    こめかみ辺りで落ち着くメガネがあるのよ。

    買いたい! それ欲しい!

    と店頭で涙したカルメンでっす。
    純情すぎるっと 言われてまっす!♪♪♪

    その後はよしなにお歌いくださいまっせ!

    • カルメンさん

      おはようございます。
      それ、いいね!
      いくらくらいするのかしら。
      でもその時しか使えないのは、もったいないかな。

      涙するほどだったとは!
      確かに純情ですわね。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • りっつんさんはじめまして、たまにお邪魔させて頂いております。m(__)m
    昨年、おひとり様生活となりました。私がお世話になっている格安毛染め専門美容室は全席にタブレットがおいてあり、雑誌はタブレットから選んで読みます。席を移動するときもそのままタブレットを持って移動します。そんな訳で老眼鏡はいりません。そのうち全ての美容室から雑誌が無くなるかも…、長年印刷業界にいた私は寂しいですけれどね。

    • ganeshaさん

      初めまして!
      コメント、ありがとうございます。
      タブレットなら、拡大して読むことができますよね。
      メガネより、いいねっ!
      先進的なお店ですね。いいなあ〜。
      近々、どこでもそんなふうになるのかもしれないですね。
      早く、わたしの行く店でも導入してほしいなあ。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。