この本を読んで、頭をよぎっていったのは、こんな歌だ。
♪ カモね、カモね、そ~うカモね。
トシちゃんだったか、マッチだったか・・・。スイマセン^_^;
「不道徳な見えざる手」 自由市場は人間の弱みにつけ込む
ジョージ・A・アカロフ/ロバート・J・シラー 訳 山形浩生
東洋経済 2017年5月25日 発行 2000円
カモなんですって
すごいセンセーショナルなタイトル&帯です。装丁の色も赤。これは目立ちます。
吸い寄せられるりっつんカモ。スイスイと泳ぎながら、グイグイと吸い寄せられ、ついに本を手に取り、裏を返すと・・・。
(@ ̄□ ̄@;)!!賢いはずのあの人って誰?
ノーベル賞。賢い。カモられる。衝撃作。
もうこれは、買わずにはいられない。外れるハズはないだろう。2000円は高いが、好奇心には勝てない。お買い上げだ。チャリリン~。
結論を言えば、この本は「経済活動は誰かがカモられて成立している」ことを実例を挙げて説明しているだけの本でした。
カモは誰かって? それは、いたいけな庶民です。あなたとかわたしとか。
住宅
最近、新築物件を見るたびにシミジミ思うんです。
「家は買うもの」という風潮はどこからきたんでしょうね。
かつて、うま~く乗せられて新築のお家を買ってしまったカモ夫婦です。
平成になったばかりのころでした。そろそろバブルが崩壊しつつあることも把握できず、「少し値が下がったね。今しかない!」と、50000000円。アホでした。
夫は経済には詳しいはずだったのに、不動産会社の口車に乗せられました。たいしたことないね、庶民の知識なんて。全体を見渡す力がなかった。世界経済の把握なんて、後にならなければわかりゃしない。
家族は減るんです。不変ではないのです。家族で暮らす時期は、20年そこそこ。それなのに、あんな大金をつぎ込んでしまった。
しかも家はメンテナンスにお金がかかる。買っておしまいじゃないのです。
息子たちはこの家に15年ほどしか住んでいません。一番住み着いたのは猫。17年も住んでいます。今では猫が使い放題の部屋が2つ。猫のための家になるとはねえ~。
新築でなくてもよかったカモ。
息子たちはこの件から学んだらしく、2人とも自宅には新築物件は購入せず。20年後にどういう答えが出るかしら。
ランキングに惹かれるのが人のサガ
飛行機の搭乗
どうも人間はランキングに惹かれるようでして。そしてその心理が経済活動にも利用されているらしい。
この本ではアメリカの航空会社が無数の階級やステータスを設けたことを例に挙げて、航空会社の戦略を紹介している。
航空会社は階級やステータスを設けただけ。それに釣られて、人々はせっせとマイルを貯めたり、その会社のクレジットを使って「エリート」ランキングを手に入れようとする。
と、それだけで航空会社には利益が舞い込むというしくみなのだという。
確かに、あるある!
わたしも一時マイルを貯めていた。でもそれは実益を求めてるつもりだったけど、そのカードを使いまくってたわ┐(´~`)┌
飛行機への搭乗はファーストクラスからだが、わたしにはそれがちょっと不思議だった。最後のほうがいいじゃんと、わたしは思っていた。最後にゆったりと(笑)
でも最初に搭乗させるのは、並んでいる人を横目に搭乗する優越感をくすぐっているのだとか。頭がいいなあ~。搭乗順にも利益を増やすからくりがあったとは思わなかった。
フェイスブック
わたしもフェイスブックには登録はしているけれど、まったく更新はしないし、あまり見ません。たいがいは「何を食べた」とか「どこへ行った」とかばかりで。あとは広告。
プロフィール写真はステキな写真ばかり。プロフィール写真より実物のほうがいいという人、どれだけいるかしら。
わたしもそれなりな写真を載せてますし、みんな、とっておきな写真なんじゃないかと思うわけです。
「いいね!」を求めて、みんなは一生懸命、ステキな話題を投稿する。そういう心理を見事なまでに生かした戦術。
こうしてフェイスブックは大もうけしているわけなのね。
誰かの都合で動いている
こんなふうに冷静に考えてみると、あれ?ということは多い。
と、こんなこと、わたしだってすでに了解済みだ。
世の中は誰かさんの都合で動いているんだなあと、シミジミ思います。
わたしたちはカモちゃんなんです。す~いすい。
「カモる」とは、人をだましたり、利用したりして、利益を得ること。カモは捕まえやすい鳥であることから、だましやすい人をカモと言うのだそうです。
たぶん一度もカモられていない人はいないと思うのですけど。えっ?カモられたことにも気づいてない?
みんな大なり小なり、カモったり、カモられたり。
そしてカモたちを眺める遙かかなたの橋の上には、立派な釣り師たちがいるんですね。大きな利益を上げて生きている人たちが。世の中をコントロールしている階層の人たちが。
未来予想図なし
この本、読んでいるうちに、イライラしてきました。
訳者のあとがきによると、イギリスの「エコノミスト」誌では、描き出す事例は面白いが羅列に終わっていて、本書自体が詐欺のようだと酷評されているようです。あまり評判は芳しくないようです。
もう誰かをカモにしないと経済は回って行かないということはわかってるのです。
そういうしくみの中でしか、人間は生きられなくなってしまった。とにかく回し続けなければいけない経済。もはや、誰も止まれない。止まることは許されない。
回し車を回しているのは、ハリネズミだけじゃない。わたしたちも同じなんです。
わたしが知りたかったのは、カモたちがどうなるのか?そのためにこの本を買ったのです。
つまり、カモ世界の未来予想図。
白鳥になるのか、それとも・・・。
ノーベル賞を取った人なら、少しは予測がつくんじゃないかと思ったのだ。
予測不能ということなのか。それとも、あまりに未来が暗すぎて書けないということなのか。
それじゃあ、カモはどうすりゃいいんだ。
最近、こんな若者の声が聞こえてきた。
「子どもを産み育てるということは、次の労働者を作っているということ」
わたしたちの子どもが労働から解き放たれることはない。カモ経済を回す一員になるだけということ。
それがホモ・サピエンスの宿命といえば宿命なんだけど、そう思ったら、子どもを産むのも躊躇しちゃうよね。
もう一度、カモを眺めて考えてみることにしますヽ(^。^)ノ
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