電化製品を1つずつ減らしていくと、仙人に近づけるかもしれない。

元朝日新聞記者の稲垣えみ子さん。

テレビで何度かお見受けしたことがありました。

ニコニコしている人という印象と、どうにもすごい節約生活を送っている人ということで不思議な人なのねと思っていましたが、本を読んで、驚きました。

あらら〜。わたしも同じことやってるじゃん(笑)

もしかして、わたしも同類?

しかし、彼女はもはや仙人の領域に達する勢い!!

 

『魂の退社』

脱会社。という思い切ったことをした稲垣さん。

朝日新聞社を辞めるまでの経緯が、おもしろ、おかしく書かれています。

現代の日本人にとって、会社から離れるということは、大海の海に放り出されるようなもの。どこかに所属していることで、なんとか生きていける社会です。

しかも朝日新聞といえば、有名な企業。もったいないと誰でも思う。だけど稲垣さんは辞めた。別にトラブルがあったわけではない。

しかし、これも実は思い込みなんですよね。会社に所属していれば一生安心と思い込まされ、その鎖に繋がれている人がたくさんいる社会。それが日本という社会の実態ですね。

自分だけは安心していたい。

そんな会社社会から、自らの意思で抜け出てみた稲垣さん。

「給料という名の麻薬を打たれ続けている日本人って、弱っちくない?」と言う。こんなに会社にしがみついているのは、日本人くらいだとか。

まあ、わたしも、会社に勤務する夫にしがみついていて、あるとき、大海に放り出され・・・「生きられないかも」と思った経験があるので、その不安はよくわかっているつもりです。

会社というものは、本人だけでなく、家族までもその恩恵に預かっている気にさせてくれる。いや、実の利益もあったような気がします。確かに安心。なにか安心。

だけど、大型船から放り出されても、意外と小舟でも大丈夫。

わたしは、なんのことはない、ちゃっかり生きてきました。そしてちゃんとある岸にだとりつこうとしています。

三途の岸。

どう漕いでも、たどりつく岸は同じだったりします。小舟から見える景色もなかなかのものでした。

どこかに所属していなくても、なんとか生きられる。ヘヘッ。

稲垣さんは、文章を書いてきた人。自分の身につけたスキルだけは自分のもの。社会を見て書いてきたという経験だけは生き続けていくはず。

 

 

『寂しい生活』

『魂の退社』がなかなか面白かったので、続けて『寂しい生活』をダウンロードしてみました。

kindleがあると、読みたい本がさっさっと手に入れられて、本当にありがたいです。

『魂の退社』から1年後に書かれた『寂しい生活』は2017年に出版されたものです。

こちらは、明らかに哲学書だと思います。文体は簡単、簡潔なんだけど、奥が深い。

さて、この本、タイトル変えた方がいいかもしれませんね。

『仙人への道』

『電化製品からの解放』

『さよなら、冷蔵庫』

『稲垣、コード捨てました』とか、なんとか(笑)

いやいや 。このありふれたようなタイトルが、なにか心をくすぐるのかもしれません。

「寂しい」という単語がキモなのかもしれませんね。みんな、この単語には弱い。

「えっ?やっぱり稲垣さんは寂しい生活をしてるん?」と思いますものね。

もちろん、稲垣さんは多分寂しくないです。満足していると思います。

手持ちの家電を1つずつ手放していった結果、どんな心境に達しているのか。

家電とは一体なんだったのか?

これがこの本のテーマといえば、テーマ。

「家電とは便利なもの」と思い込まされ、人よりも大きいもの、性能のいいものを、いち早く手に入れることに、わたしも奔走してきた1人です。

冷蔵庫が入り、洗濯機が入り、掃除機が入り、エアコンが完備され。実は我が家には役立たずの美顔器や毛剃りまであったりします(笑)

今では、自分の感覚を頼りにせず、ある温度を超えたらエアコンを入れるべきだと言われているし、掃除機も自立を果たしたし。

それが一体なんだったのかという検証が、実におもしろいです。

生活というものは、それほどに電気に頼らなければならないものなの?

生きるということは、そんなに大変なことなの?

 

わたしは、ほんの一部仙人

稲垣さんはわたしより8歳年下。現在54歳。

2011年の原発事故をきっかけにして、節電を始めたことが人生そのものを変えてしまいました。

本人にはそんなつもりはなかったのでしょうが、仙人への道を辿り始めました。

仙人とは暮らしがどうとかいうことではなく、心境があちらの世界ということです。穏やかで、何事にも不安を抱くことのない心境。

気づいてから、ここまで来るのに、たった8年!

やはり、元を絶ったことが大きい。電化製品ではなく電気そのものからの離脱。

わたしはといえば、どこまでも半分。だから気分もほんの一部仙人って感じでしょうか。ほんの少しは見えているつもりですが(笑)

【わたしの現状】

  • 掃除機は、ほぼ使わない。
  • 洗濯機は、ほぼ脱水のみ。
  • テレビは、小型化。
  • 固定電話は、廃止。

わたしは節電意識から、こういうことをやってきたわけではないのです。

【わたしの理由】

  • 掃除機の音が、嫌い。
  • 全自動洗濯機は融通がきかなくて、嫌い。
  • 大きなテレビがあっても、見たい番組がない。

こんなことから、少しずつ自分サイズで電化製品と付き合うようになっただけ。

しかし、辿り着いている気分が、稲垣さんと似ているということに驚きます。

きっかけが違っていても、電化製品と距離を置くことで見えてくる世界は同じだということに驚いています。

自分という資源を活かして生きる。

わたしは「ほどほど」が好きなので、これで満足していますが、もしかすると、今後家電からの完全離脱を目指すかもしれません。

それは、自分でも分かりません。

稲垣さんは、自分に必要なものが「こんなもんだけ」と思ったことで、将来への不安が消えたと言います。

わたしがこんな暮らしにシフトして5年。

思えば、わたしも以前より、将来への不安はなくなっています。

なにかを手放すと、なにかを得る。

それは確かだと、わたしも思っています。

超おすすめの2冊です!ぜひ、ぜひ!


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ABOUTこの記事をかいた人

りっつん

1957年生まれの60歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。好きなミュージシャンは山下達郎。 時々、3歩あるくとすべてを忘れる「とりっつん」に変身してしまう。