子どものころは、空き缶も立派なおもちゃだった

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食品庫の整理をしていて、”あんこの缶詰”を見つけました。

ラベルのない、シンプルな銀色の缶。

缶切りで開けるという、昔ながらの缶詰です。

これは奥会津地方で作られたもの。

その町では各家庭で作られた食品を、それぞれ缶詰にして保存しているそうで、ときに市場に出てきます。

料理自慢の人たちが作るあんこは、絶品かつ貴重品。

その缶をじっと見つめているうちに、幼き日の思い出がポコンと浮かんできました。

空き缶の中に、土と水を入れて、棒でかき混ぜているわたしは5歳くらいでしょうか。

缶にはギザギザのふたがついたまま。

わたしは1957年の冬に生まれました。

終戦から10年は経っていたけれど、きっと当時の大人たちにとっては、戦争の日々はまだ昨日のことのようだったに違いありません。

自分時計が早く回るようになってから、10年なんて実に短い時間なのだと、感じます。

取り上げてくださった産婦人科の先生は、仙台の病院が空襲で焼かれて疎開。当時、まだ仙台に帰れずにいて、母の実家の駅前に仮産院を開いていたのだそうです。

そんなことで、わたしは母の実家の田舎町で生まれ、仙台の町の中で育ちました。

生まれてから小学生になるまで住んでいた家は、にぎやかな場所にありましたが、トイレも水道も、家の中にはありませんでした。

外の水場から水を汲んできて、家の中の大きなかめに入れておく、そんな暮らし。小さな借家でした。

だからなのか、家の中で遊んだという記憶がありません。家の中におもちゃがあったという記憶もありません。

遊ぶのは、いつも外。

路地裏の一角で、ままごとをしたりしていたようです。

もちろん、ままごと用のおもちゃも、持っているはずもなく、道具は自前調達が基本でした。

そこで、活躍するのが空き缶。

缶の中に土を入れて、水を入れて、こねて、こねて、こねる。

たぶん、なべのつもりだったのでしょう。

だから、母が缶詰を開けるたびに、うれしかった。

缶が空けば、家財道具が増える(笑)

そもそも缶詰を開けるということも、滅多にはなかったはず。

缶詰といえば、果物。桃缶とかみかん缶とか。誰かが病気になったときとか、イベントのときくらい。

実は、幼い頃の思い出なんて、数えるほどしかありせん。記憶には残らず、身体にしみついて、いまのわたしの一部になっているのでしょう。

さて、雨模様の今日は、おしるこでも作ろうかな。


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2 件のコメント

  • はい!
    「あんこ」ですね、毎度ありがとうございます。
    今年も良い豆が取れています。
    業者さんによっては翌年2月から使い始めるところもありますが、気の早いところでは11月に新豆のどら焼きを出しているところも。
    寒くなってきましたので、暖かい、そして甘いあんこをどうぞ。

    甘いのが苦手な方は様々な豆を使ったおにぎり、スムージーなどを取り扱う北の地のお店があるんですが、まだ通販は出来ていないようなので、札幌にお寄りの際は是非どうぞ。
    本人いわく、素材の味を、と(Mame Kitchen Maruyama)。

    美作のあんこやさんのはそれほど甘くは無い餡ですが、常時通販で出していたかな?

    まるやなぎさんとかふじっこさんなどの煮豆や、蒸し豆も食べやすいかも、です。

    以上、豆に反応する勝手な告知でした。

    • としさん

      こんばんは♪

      あんこ、大好きです!
      今年も良い豆が取れたとのこと。
      うれしいです。
      やはり新豆は風味が違いますものね。
      新豆であんこを煮るのが楽しみです。
      ストーブの上でコトコト♪

      素材の味を生かしたあん、食べてみたいなあ。

      蒸し豆は食べたことがないかも。

      検索、検索っと(笑)

      情報をありがとうございましたヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。