図書館で目にとまりました。
久しぶりに帯津先生にお会いしたという感じです。本を読んで、なんだかほっとしました。本はいいですね。いつでも、話を聞きたい人から、話を聞くことができます。
逝き方なんてタイトルは好きじゃないけど、帯津先生の本だからということで借りてきました。
出会いは25年前
著者の帯津良一先生は現在「帯津三敬病院」の名誉院長をされています。もともとは東大病院で外科医をされていた方です。
先生はある時に西洋医学に限界を感じ、以後、東洋医学などの代替療法を組み合わせた統合医学を実践しておられます。
わたしは25年ほど前に、夫の胃がん闘病中に、帯津先生の存在を知りました。先生の提唱されていた「びわの葉温熱療法」などを本を読みながら家庭で実践していました。
真の養生とは何か
養生というのは命を正しく養うこと。
健康であればいいというとではなく、何のための健康かということです。
最近は健康ブームとかで、健康法があふれかえっています。見ているだけで疲れます。あの不思議な熱気にうんざりしてしまいます。
実はわたしは健康診断にも行きません。
息子たちが高校を卒業するくらいまでは、健康診断にも定期的に行ってました。息子たちが大きくなったので、もういいよねと思ったしだいです。
親としての責任を果たすまでは、ムリをしてでも生きねばと思っていたけれど、そんな肩の力も知らぬままに抜けていました。
もちろん、不具合を起こしたら病院に駆け込みます。薬も飲みます。でもわたしは健康診断の数値なんかにとらわれたくないのです。100年くらい前のレベルで暮らしていたい(笑)
それより、自分の体に直接聞いてみるほうが、わたしには合っているです。「今日はどう?」って聞いて、調子が悪そうなら、それなりに対応してます。
もう60だと思ったら、ますますホッとしています。もういいじゃん。少しぐらいの不具合は当然。定められた命、全うします!
最近は60歳なんて若いなんて言いますが、本当かな。わたしはそこそこの年齢だと思うんだけど。いつ何があってもおかしくはない年齢ですよ。
今、わたしが居なくなっても困る人はゼロ。寂しいと思ってくれる人はいると信じているけど、困る人はいないはずです。いいですねえ~この気楽さ。自分が自分らしくいられます。
夫の死後、何度か夜中に目を覚まして「死んだら困る!」と切実に思ったことがありました。まだ幼い息子たちをみなしごハッチにはしたくないと思いました。
余談になりますが、次男が大学を卒業した時に「お母さんが死んだとして、お金が必要?」と2人の息子に聞きました。
2人ともが「要らない」と言ったことを確認して、翌日に生命保険を解約しました。この時も、もういいよねと思ったしだいです。
貝原益軒は「養生訓」の中でこう言っているそうです。
「心を豊かにして余計な争いをせず、自然の理に従って生きれば、天地は感じられ、長生きできる」
大切なのは心を豊かにすることであり、余計な争いをしないことであり、自然の理に従って生きること。ここを押えることなく、健康だ、長寿だと一生懸命になっても、本末転倒だということです。
健康法は体にはいいかもしれないけれど、心や命というもっと深い部分を見ると効果はあまりないと、帯津先生は解説しておられます。
心豊かに暮らすこと。この生き方がよき逝き方につながる。すべては今日一日の過ごし方なんです。その積み重ねなんですね。
『養生訓』も読んでみようと思いました。
本を読もう!
本にはエネルギーがある
『後悔しない逝き方』では「本」についても書かれてています。
帯津先生いわく「本の発しているエネルギーは筆者の命のエネルギーに負うところが大きい。本からはエネルギー=気をもらっている。」とのこと。
本の気は読む側の命のエネルギーに作用しているんですね。たしかに、その本を読んだ前と読んだ後では、頭の中の何かが書き換えられている時があります。
わたしはどれだけ「本」から知識とエネルギーをもらったか、わかりません。感謝ばかりです。それらが積み重なって今のわたしを作り上げていることは間違いありません。
苦しい時、ずいぶん助けられました。
だから本をどんどん読もう!本屋さんに行って、少しでも気になった本は読んでみよう!
本を読んでエネルギーまでいただけるのなら、こんなに安い買い物はありません。
高いエネルギーを持つ本
長く読み継がれている本には、高いエネルギーを持つもつのが多い。というか、全部がそうだと思います。
わたしは鴨長明の『方丈記』が座右の書です。
「ゆく河の流れは絶えずして」で始まる有名な随筆です。この随筆には時代を超えた真理があります。そして60歳を機に四畳半の庵を築いて隠遁した長明の哲学があります。わたしが目指す生き方の一つのスタイルです。
帯津先生の座右の書は『養生訓』。単なる健康法が書かれているのではなく、人はどう生きるべきか様々な視点から書かれている本だそうです。
本を読むことで、自分の中からひらめきや直感をいかに引き出すか、それが大事なことで読み続けることで、自分の中に眠っている人生哲学が浮きあがってくると、帯津先生は語っておられます。
自分なりの哲学を構築する
自分なりの哲学を構築したいと思っています。60年という時間を過ごしてきました。いろんなことがありました。
その中の経験を自分なりに糧にして、自分なりに納得してこの生を終えていきたい。
そんなことを思う2017年のお盆。
今年は1人で静かなお盆を過ごしています。
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本は著者が その時点で最高のものを出して執筆しているのですものね。
決して実際にはお目にかかれなかったりお付き合い出来ない方々に
本を通して一方通行ですが親しい関係を持てる。
それも一冊千円や二千円でその方の知恵を頂けるのですから
有り難いことだと思います。