江戸時代のサラリーマンの暮らし。日本人の本質は、変わってない?

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『元禄御畳奉行の日記』(上下)漫画版を読みました。

江戸の時代を覗いてみれば・・・あらら〜。そんなこともあったのねえ〜。こんなこともあったのねえ〜。

 

御畳奉行とはなんぞや

畳奉行(たたみぶぎょう)は、江戸幕府における職名の1つ。江戸城内の座敷や諸役所の畳を管理し、畳作りや畳表替などの役目を受け持った。

江戸幕府だけでなく、大名家にも同名の役職を置いた藩があり、尾張藩の御畳奉行は40俵の役料が給された。

(引用: ウィキペディア)

御畳奉行とは、お城や役所の畳を管理する役人さんのことです。

昔は畳の量も半端なかったはずだから、畳の発注や管理は重要なお仕事。

そんな仕事の役人さんが、本職のかたわらに書いていた日記が、この漫画の原書です。

御畳奉行の日記』は、朝日文左衛門(ぶんざえもん)さんが書いた『鸚鵡籠中記(おうむろうちゅうき)』という日記を編集した解説書のようなものです。

時代は江戸。関ヶ原の戦いから100年が経過して、世は泰平の元禄時代。

文左衛門さんは書いた!書きまくった!彼は記録魔だったんですね。

  • 自分の日々の暮らしぶり
  • 世間で起きた事件(心中、強盗、不倫など)

ありとあらゆることを記録しています。彼の日記は18歳〜45歳で死ぬまでの間、書き続けられました。

  • 期間26年8ヶ月
  • 日数8,863
  • 冊数37
  • 字数200万

すごい!

「りっつんブログ」は現在930記事ほどですから、足元にも及びませぬ。

 

不倫、テンバイヤー、ご接待

ドン引きしちゃうような話ばかりが並んでおりまして。

マイルドな絵で描かれてはおりますが、内容はかなりハード。漫画だからと、お子ちゃまなどには決して見せてはいけませぬ。

ドン引きしちった話のいくつかをご紹介します。

 

話題の壱

妻に先立たれた男が、娘を持つ召使いの女と再婚し、その義娘とも・・・。義娘が嫁ぎ先に行ってしまったあとも、呼び出しては無理やり・・・・。

ついには義娘の旦那にバレて・・・・ジャンジャン!

この結末にはスカッとしたけど、いやはやコワいわ。欲望に任せて行動すれば、やはり身は滅ぶ。

爺さん、身を滅ぼすまで、やるなっ!

 

話題の弐

財政難のため「倹約せよ」という御触れが出される。

贅沢品を持っている人々は、幕府の役人から色々な品物を没収される。だけど、いつの世も頭の回るヤツはいる。それが幕府の役人だったりします。

没収品を転売してボロ儲け。テンバイヤーは江戸時代からいたわけですね。

だけど、やっぱりバレちゃう。

刑罰は今より、かなり残酷。これまた、お子ちゃまには絶対に見せられない。漫画だから見られるけれど、写真だったら、目をつぶるわね。

 

話題の参

お畳奉行さんの楽しみはなんといっても「出張」です。張り切って出かけるのには、ワケがある。

嫉妬深い女房から逃れて羽を伸ばし、酒と女。しかも接待。なんて極楽なの〜。

昔は妻と妾が同居ってことも、普通にあったらしい。一夫多妻は公然の秘密。

女の嫉妬の凄まじさは今も昔も変わらない。そして業の深さも変わらない。

 

公開されなかったワケ

この日記は260年あまりの長い期間、名古屋城の奥深い倉庫の中で眠り続けていました。

明治、大正を過ぎ、昭和になっても、この書は厳しく公開を禁止されていました。世間の目に触れることができのは戦後20年を過ぎてのことでした。

長い間、公にならなかった理由は、幕府のお偉いさん(尾張徳川家)の

  • 殿様があまりに無能すぎた
  • 奥方がとんでもない淫乱だった

その、ご様子がつぶさに書かれてあって、さすがに世間に出せないと判断されていたからだそうでございます。

 

今も昔も変わらない?

この本が書かれてから300年。どれだけ日本人は変化、もしくは成長したのでしょうか。

不倫も博打も酒に溺れて人生を潰す人も、ついにゼロになりました。

・・・ということはなく、本質的には何も変わってないように思います。

男と女の世界は、こんなもん。

金銭欲の世界も、こんなもん。

酒に溺れていくのも、人の世の常。

ま、人というのは、そんなもんなんですかね。

所詮、道徳などというものは、その時々の治世者に都合のいいように流布されてるだけのこと。すべての人がその時々の道徳に沿えるわけもないのです。

江戸の人々に親近感を覚えてしまう1冊です。


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2 件のコメント

  • だから私は人間より犬猫が好きなんですね ^^
    納得。。  自分も人間で 他のものになりたいとは
    思わないけれど、それは動物の世界が弱肉強食で厳しいと思うから
    もう一つは苦しくとも なんとか楽しみも喜びもあるから。。
    うちの娘は お金持ちのマダムの愛猫になりたいと言ってました
    時々抱かせてあげるだけでいい
    優雅に生きていける ^^ という事でしたが
    今にして思えば なるほどと感心してしまう

    • さくらさん

      おはようございます。
      娘さん、いいこと言いますね。
      お金持ちのマダムの愛猫に、わたしもなりたい!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。