図書館から借りてきた本。急ぎ読み終えました。
借りてきたのは、桐野夏生さんの『猿の見る夢』。桐野さんの本は久しぶり。
不倫は永遠のネタ
小説のネタとして、現代的に言うところの不倫という名の「とりあえず現時点での日本社会では許されない恋愛」というものは、なくなてはならぬ素材です。
古今東西、まっとうな恋愛になど(たぶん)誰もそれほど興味を示さないでしょう。
なぜか人は、道ならぬ恋が好き。えっ?わたしだけ(笑) いやいや、そんなことはないはず。
なんのハードルもない若い男女が、出会って、恋をして、結婚して・・・って、それは楽しい話かもしれないけれど、第三者としては特別な高揚感とか面白さとかも、見つけ出しづらいです。
楽しい話は似たりよったり。
恋をするのは、人としてごくごく当たり前のことだけど、その背景が当たり前だと満足しない。やはり人間って複雑なんだなあと思います。
喜びだけではダメ。悩んだり困ったりしないとダメなんです。
その不倫と言われるネタは書き方によっては、シリアスな純愛ものにも仕立てあげられるし、笑い話として描くこともできるし、ミステリーにも、三面記事にもなってしまうという優れもの。
ということで、この小説でも、このネタ、採用されております。このネタなしには話は進まない。
人生のイベント
主人公である男が様々な場面で下す判断は、どれもこれも自分勝手に見えます。
だけど、たぶん、人の判断なんて、そんなもの。
御身大切。
「おやおや」と思うけれど、そういう人はどこにでもいそうです。珍しいわねえとは思わない。というか、基本的には、誰だって御身大切。
自分では分からないけれど、ほかの人から見たら、そうとしか見えないです。仕方ないので、それぞれが、さ迷いながら歩いていくしかないのこの世が現実。
1人の男を通して見せてくれる、会社・家庭・配偶者・子ども・愛人・親兄弟・金・そして相続。
なんと盛りだくさんのイベント!
人が生きていく間には、こんなにもイベントを通過しなくてはならないのねと感心するけれど、よく考えたら、わたしは、もうすでに全部通過していたりします。
つまり他人ごとではないのです。誰にでも起きうる、もしくは起きたことばかりです。
「ま、まさか、こんなことが!」ということが1つもなく、リアルな描写に驚かされます。
「あるある!」の連続です。
人はどう頑張っても、自分の目線でしか、物事を進められない。
男はズルい。女はコワい。
保身のみを考えて生きていくと、行き着く先には、桐野さん的には救いはないらしいです。
桐野さん、男に対してはキビしいわ〜。
いやいや、登場してきたクセの強い女たちのその後が描かれていないので、果たして女に甘いかどうかは分かりませんけれど。
猿たちに、幸多かれと祈るのみです。あ〜めん。
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「猿の見る夢」は読んでいないので、今回のりっつんさんのブログは
私にはちょっと難しかったです。
で、ネット検索。でもやはり難しかったです。いったい「猿」って誰のこと?
「女と男問題」3つの話
①昔、不倫の結果、その方と再婚した友人がいました。夫と二人の息子を置いて。
当時、私は「何やってんの?!!!」と理解できませんでした。今は幸せそうです。
②24歳の初任の先生が17歳年上の独身女性教師と恋に落ちました。周りは「え~!!!」と驚くばかり。
私と同い年の母親は怒り、悲しみ、悩み、その結果アル中、うつ病で現在も入院闘病中。
不倫ではないのだから何か問題ある?許してあげたら?現在お二人は結婚し、お幸せそうです。
③最後は私のこと。「あの人は良くない。もっと合う人がいる。不釣り合い。」と言われ、
そのたびに「みんながそう言うならやめる。」 翌日になると「あ~やっぱり好き」と繰り返し1年間。
(25歳の頃のこと)でも2年目のある日、いつも通り友人から「いい加減やめたら?」と。
すると、その日はまるで何かとり付いていたものがスパッととれたように
「やーめた!」ということになったのです。我ながら今でも不思議な感情でした。
女と男の気持ちは不思議です。理屈ではないのですね。
不倫は「とりあえず現時点での日本社会では許されない恋愛」ですが、
当人たちにとっては、どうしようもないこと?なのでしょうか?わからない・・・。
今日は教育委員会に提出する「指導主事訪問」のレポートを完成させねば。
かよさん
おはようございます。
面白い(?)実話をありがとうございました。
そういう結末もあるんですねえ。
まあ、男女問題はふたりにしかわからないもの。
だからこそ、小説になるんですよね。