群ようこさんの『たりる生活』は、前期高齢者の片付け物語

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群ようこさんの新刊『たりる生活』を読みました。

“たりる生活”ってなんだろうと、タイトルに惹かれて、インストール。

もしかして、精神の成熟物語?

そう期待して読み始めたのだけど、そういう話ではありませ〜ん。

なんと、前期高齢者の片付け実録!

わたし自身も、片付けに励んでいる前期高齢者なので、興味深く読ませていただきました。

 

前期高齢者の自覚

“前期高齢者”という単語が頻繁に出てきます。何回出てきたか、数えてみようと思ったほどに連呼。

群さんにも前期高齢者という自覚がなかったようですから、自分に言い聞かせるように書いていたのではないかと思います。

わたしも暦年齢と体感年齢には、差を感じています。

身体は時間を経過することで変化していくのに、精神のほうはどうも進みが遅いようにに感じます。立ち止まっている感じ。ちゃんと進む気があるのか?

まあ、年齢というものは、いつでも初体験ではあります。いつでも初めての◯◯歳。

しかも経験値などの個人差も大きいので、ひとくくりにはできません。本人にしかわからない世界。

群さんは65歳になったときに、35歳くらいの気分だったと書いているけれど、わたしは、いま50歳くらいの気分かも。

と言っても、50歳のときの気持ちを覚えているわけではないので、あくまでイメージ。

50歳くらいがいいなと思っているのかも。

しかし、暦年齢を実感できようとできまいと、向かってる先はひとつであることは間違いなし!

三途の川にたどり着くまで、あとどれくらい?

 

一生モノなんてあるのか?

本人には自覚はなくても、世の中的に見れば、高齢者と括られることで、思わぬ事態も起きてくるようです。

例えば、高齢者は家を借りにくくなるとか。

22歳の相棒猫さんが死んで、転居を考えた賃貸派の群さん。

引っ越しで荷物と向き合うことになり、かなりの量の物を持っていたことに気づきます。

そして、ここから、片付け物語が始まる。

実は、日々意識しているわけではないので、意外と自分の所有物は把握できていないもの。

やったから分かるけれど、こっそり押し込んであるものが、かなりあるものです。

さて減らさないと、転居先に荷物が入らないことが分かって、物減らしを始めた群さん。

何から、どうやって減らしいてくのか、奮闘が始まります。

足袋だけでも80足というのですから、先は遠い:(;゙゚’ω゚’):

ところで、わたしには持ち続けたいものなんて、あるのでしょうか。

たぶん、いくつも、ないです。

なのに、捨てようとすると、いちいち心が痛むのです。

どうやったら、心を痛めずに物を処分できるか、いまでもこれという答えは見つかりません。

だから(心で)泣きながら、作業をしています。

物たちが、何か語っているに違いありません。

手に入れたのは自分。だから、手放す痛みも味わうべき。それが責任ってもん。

そう考えると、夫はかなりずるいです。

その痛みを味わうことなく、去っていったのですから。

とりあえず夫婦は一心同体(って、書きながら苦笑ってるけど)。

なので、わたしが集めたものではないけれど、処分には痛みを感じました。小学校の修学旅行のしおりまで大事に残していたのですから、辟易しましたけれど。

できれば、いろいろ使ってあげたかったけど、使おうと努力はしたけど、結論はこんなことでした。

夫の宝、妻のゴミ

役立てることもできず、結局99%の処分となりました。

 

だれのための片付けか

夫の荷物を片付けた経験から、“跡を濁さずに旅立つ鳥”をめざすことにしました。

しかし最近になって、そんなことは、どーでもいいよねと思うようになりました。

残したければ残せばいい。無理して捨てることもない。

きっと、誰かがなんとかする。

そうやって、今までも、回ってきたし、これからも回っていくのが、世の中ってもんだから。

よく考えてみたら、わたしは誰かに迷惑をかけないために、断捨離をしているつもりは全くなくなっていました。

あくまでも、どこまでも、自分のための作業。

いまの自分に合わせて、伸び伸びと楽に暮らしたから、物の処分をしているだけ。

ルンルン気分で暮らすための断捨離。

なので、いまから、物が増える可能性はある。実際、すでにレゴを集めてるんだから(笑)

そして、最後には、必ず何かは残るはずなのです。

その処分は、誰かに任せるしかありません。片付けたくても、無理。

だって、死んでるんだから。

そして、こんな結論。

“わたしの宝も たぶんゴミ”

処分費用の一部くらい、くくりつけとけば、恨まれることもない?

 


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りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

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6 件のコメント

  • こんにちわ TOMOです。
    あれから捨て活つづけております。昨日娘の中学高校時代の物の処分がおわりました。1部屋きれいに何もない状態になりました。
    業者さんにいろいろ相談しながら進めまして、一般ゴミにだしたら、処分費用が安くできると教えていただき、半分は一般ゴミにだしました。
    マンションでゴミ置き場まで遠いので、身元保証を契約しているNPO法人に依頼して、ゴミ置き場まで運んでもらいました。
    なんと30分もかからないぐらいで終わりました。自分でしていたら何日もかかっていたと思います。 (^▽^)
    業者さんにもこれだけきっちり分別してもらったら助かるとお褒めいただき、処分費用を値引きしてくれました。
    大病をしてから、自分でできないことはサポートを受けるということを学びました。確かに分別していると1%の思い出の品が出てきました。
    娘にとってはいらないものかもしれませんが、とっています。 (^▽^)
    さっそくリフォームの見積もりに来てもらい来年春就職したら、夜勤がある仕事ですので、ゆっくり休める寝室にします。
    次はキッチンと私の物を捨て活します。NPO法人の方には、家が近いので、週1回の頻度でも来れますよと言っていただいています。
    どれくらいで、できるかわかりませんがゆっくり思い出に浸りながら進めます。
    もし途中で終わっても捨て活していることをよくわかっているので、娘に許してもらえるかな思いながら。。。
    りっつんさんのブログで励まされ進めることができます。感謝しています。
    そして、ほっこりーなさんのコメントにも感謝です。これからもよろしくお願いいたします。
    今から娘とスイッチでゲームします。幸せです。

    • TOMOさん

      こんにちは♪

      片付け、進んでいるようですね。
      わたしもいろんな人の手を借りてやっております。
      ひとりでなんて、無理無理(笑)
      サポートを受けとるってことも、年をとってきたら肝心なことかと。
      なので、あちらこちらに、ツテを張り巡らせております。
      みんな、快く助けてくれます。ありがたいことです。

      寝室は大事です。自分の巣なんですから。
      ゆっくり、のんびり。作り上げていく時間も楽しいですから。

      過去にとどまらず、前進、前進よヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • りっつんさん

    こんにちは。毎朝、ブログを楽しみにしております。
    群ようこさんの「たりる生活」をちょうど読み終わったところでしたので、「奇遇だわー、うれしい」と、勝手な!喜びを感じて、コメント欄に初めて寄せていただきました。

    私は、夫を送って12年。
    その後、それまで住んでいた家の半分の大きさの家に転居することになり、もう必死必死でモノとサヨナラいたしました。

    子どもたちに、モノの後始末はさせたくないという気持ちが大きかったですが、モノを手放すのは今の自分のため、と思うようになりました。
    「いまの自分に合わせて、伸び伸び」ですね!何か励ましていただいたようです。
    ありがとうございます。
    寒くなりました、ご自愛くださいませ。

    • うさぎさん

      初めまして♪
      コメント、ありがとうございます。

      『たりる生活』は出たばかりでしたので、
      読んだ方に出会えて、わたしもうれしいです。

      ご主人を送って、干支を一周ですね。
      未亡人暮らしにも、慣れたころでしょうか。

      そうなんですよ!
      片付けは自分のためなのですよ。
      いまの自分に合わせていくための作業。
      片付けを重ねたことで、そんなことに気づきました。
      なので、まめにやっておけば、
      そのときの気分にあった快適空間で過ごせるのです。

      捨て始めると、ついなにもかも捨てたくなる衝動にかられて、
      怖くなること、ありますけど(笑)

  • りっつんさん、こんにちは~

    群ようこさん、20代前半頃読み漁ってました(*´з`)
    本を断捨離する時、群さんの本は手放せずにまだ本棚にあります。
    もう、読むことはないかなと思いつつ、青春の記憶をもう一度と思うと手放せず(>_<)
    『アメリカ居座り一人旅』っていうのが特に好きで5回くらいは読んだ気がします。

    一歩先行く人生の先輩のお話し、読んでみたくなりました。
    読みたい本がいっぱいで、全然読めてなくて、今のままなら死ぬとき後悔すること間違いなし!

    さっ、ひとつづつ、やっつけていきまぁすヽ(^。^)ノ

    • えみんちょさん

      おはようございます。

      わたしも久しぶりの群ようこさんでした。
      群さんの一気に読ませる筆の力。
      まるで、群さんの家をのぞいているようでした(笑)

      読みたい本がたくさんあるのは、しあわせです。
      未読の本を積んでおくだけで、心が満たされます。
      わたしの場合、今後は、
      インストールしておくだけでってことですけどヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。