本との出会いにはタイミングがあるものです。今年は心に響いた「家族のようなもの」

去年購入して、一度は読んだはずの本。あの時は何も感じなくて、ただ読んだだけの本だったのですが、今日、何気なく寝転がって読んでいたら、なんだかとても面白かったのです。

実はこういうことは、よくあります。

やはり、人というものは、日々変化しているものなのです。去年のわたしは、今年のわたしとは、ちょっとだけ違う。

自分では何が変わったのか、自覚はありません。毎日、いろんな事に遭遇して、その都度何か変化を起こしているのかもしれないですね。

 

家族のようなもの

柳美里さんの「人生にはやらなくていいことがある」というエッセイです。1年くらい前に購入して、ざっと読んで、積んでありました。あの時はあまり感じるフレーズもなかったのです。

ところが、今回、「家族のようなもの」というところに、感銘を受けたんですね。

「家族のようなもの」とは素敵な響きです。家族だけど、ちょっと曖昧。血縁にこだわらない。「家族」と限定し合わないゆるい関係性。

今、たとえばわたしに何かあった時に連絡が行く人は2人です。わたしの最後の始末をしてくれる人たちです。どんなに頑張っても、最後の始末だけは誰かの手を借りなければなりません。自分ではできません。

まあ、世に出てくる時に彼らに手(体)を貸したのはワタクシ。その代わりと言ってはなんですが、ワタクシが消える時には手を貸していただければと、そう思ってます。

血縁の役目とはそういうことですね。役所的に便利なんです。

そういえば、わたしはすでに10年ほど前に生命保険を解約しています。「親が死んだ時に現金が欲しいか?」と単刀直入に聞いたら、2人とも「いらない」と言うので、即日解約しました。解約した日は、大学生だった次男の最後の授業料を収めた翌日だったと思います。

それまでは、自分に死亡保険を2000万円かけてました。死んだら1人に1000万円ずつ。自分で生きていけるだけのスキルを身につけさせるまでが、わたしの役目ですから、大学を卒業できるのなら、もう十分です。あとは自分でやるしかないでしょ。

息子たちとのつながりは、つかず離れず、お互いが邪魔にならない距離間です。困った時には相談をし合うことはありますが、あくまでも相談であって、本人以外に決定権があるわけでもないので、その意見を採用しなかったからと「何だよ、あいつ」ということもありません。

このように、すでにわたしが作っていた「家族」は賞味期限が切れました。

息子たちは息子の思うような「家族」とか「家族のようなもの」を作ればいい。そして、わたしはわたしの「新・家族のようなもの」を作ればいい。どんな人を「家族のようなもの」に入れるかを考えるのも、それは、それで、楽しい。

人間関係は、あくまでも、さらっとしているのが理想です。

 

血のつながりがそんなに大事か?

血縁ってどうなんだろうと、ちょっと懐疑的なわたしです。それはわたしが娘として親とかかわってきて、今思っていることです。昔は血のつながりは超大事と思ってました。だけど、どうも違う気もしたりする。

血のつながりは壊れないはずと思っていたけど、壊れる。わりと簡単に壊れる。「欲」が絡めば、実にあっけない 。親だろうと子だろうと姉妹だろうと、それほどアテになるものでもない。と、わたしは思っているのです。

頼りにすべきは自分だけ。

そして血よりは地。血よりも知。

血よりも地。この土地で、たままご近所になった人たち。これもすごい偶然です。こんな広い宇宙の中で、地球の中で、日本の中で、同じ場所あたりで暮らしている、なんという偶然!縁を感じずにはいられません。こんな縁も大事にしたいと思っています。

昔から「遠くの親戚より近くの他人」なんてことも言われていますし。

血よりも知。自分の頭で考えて、知性で結びついた縁。これも貴重だと思います。感性の合う人と出会うこと。これこそが人生の醍醐味。どれだけ、感性の合う人と出会えたか。これこそが冥土のみやげだと思います。

生まれ出る時には血縁の方々にお世話になりましたが、自分の人生を歩くのは自分。

柳さんの「家族のようなもの」とわたしの「家族のようなもの」はちょっと違いますが、「家族のようなもの」という認識に同調しているということですね。

考えてみれば、夫とだって最初は血の縁はなかったのです。血の縁も作られていくもので、不変ではないのです。長い時間の中では、ある瞬間だけのつながりなのかもしれません。

このエッセイは柳さんが東日本大震災後に、鎌倉から福島県の南相馬に移住して書かれたものです。移住にまつわる話、大人になっていく息子さんのことなど、なかなか興味深かったです。

 

 


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ABOUTこの記事をかいた人

りっつん

1957年生まれの60歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。好きなミュージシャンは山下達郎。 時々、3歩あるくとすべてを忘れる「とりっつん」に変身してしまう。