未亡人28年生が『ミセスハリス パリへ行く」を観て、感じたこと。

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映画好きな友人から、LINEが届きました。

『ミセスハリス、パリへ行く』がとても良かった!

そりゃ、見に行かなきゃ!

調べてみると、上映館も少なく、上映期間も短い。

これはさっさと見なくてはと、昨日、出かけてきました。

 

未亡人のシンデレラストーリー?

映画の舞台は1957年。

戦後10年目。わたしが生まれた年でもあります。

主人公のハリスは戦地からの夫の帰還を待ち続けますが、13年も前に夫は戦死していたことが判明します。

得意の家事仕事を活かして、家政婦で生計を立ててきたハリス。子どもはなく、ひとり暮らしです。部屋の中、ステキでした。特に壁紙。

映画の中では、年齢は明かされていないけれど、若くはない設定。それなりの年齢に見えます。

(ハリス役を演じているレスリーさんは、実年齢ではわたしより1歳年上!)

夫の死を受け止めたハリスに、突然、ひとつのひらめきが落ちてきます。

それは、クリスチャン・ディオールのドレス。しかもオートクチュールのドレス!

あまりに唐突で、びっくりな組み合わせだけど、落ちてきちゃったんだから、しかたない。

そっか、この映画は、未亡人のシンデレラストーリーに違いない。

新しいあの人を見つける旅?

それが一番気になる、未亡人28年生(笑)

さなぎが蝶になるような華麗な変身を遂げて、きっとミセスハリスは羽ばたくのです。

そうでなくちゃね。

いけいけ、未亡人!

未亡人28年生の期待を背負って、ハリスの旅が始まりました。

だけど、疑い深くなっているわたしは、登場人物がいちいち危ない人に見えてハラハラしてしまう。

だまされないでよ、ミセス・ハリス!

 

粋な演出か?

ストーリーはどんどん進んでいきます。思いのほか、善意に囲まれて。

あらら。あの人もあの人も、悪い人じゃなかったのね。

だましたとか、だまされるとか、ついそんな見方ばかりしている自分に苦笑い。

さて、ハリスが、ついにパリのディオールの試着室に入ったころのこと。

突然、あまくて、いい香りが漂ってきたのです。

バラのような、いや、バラだけでなく、いくつかの花が混ざったような、なんとも言えないいい香り。

もしかしてディオールの香水?

まわりを見渡す。

見える範囲に人はいません。

観客が10人もいないことは、入ったときに確認ずみ。

これは、香りの演出か!

その香りは、5分くらい香って、スーッと消えていきました。

どんな香水かしらと、鑑賞後、検索してみたら、そんな演出はなし。

それじゃ、あれはなんだったんだ?

もしかして、誰かのいたずら?

そうだったら、かなりおもしろい♪( ´▽`)

 

運とか縁とか

映画を見ながら、頭をよぎっていったのは「運」と「縁」という2つの言葉です。

運とか、縁とか、それは、人が運んでくるもの。

自分ひとりでは、縁も運も呼び込めません。

人はそれぞれが、誰かと繋がっていて、それぞれの小さな世界の中にいます。

その輪の中の誰かがほんの少し空気を揺らすことで、その振動が伝わって、周りが少しずつ変化していくのでしょう。

伝わる強い振動もあれば、伝わらない弱い振動もある。

それが人の世なのだなあと思います。

人は人の中にいてこそ、人。

わたしもハリスのように、ひとり暮らしですが、人との関わりには心を込めているつもり。

いま、わたしが関わっている人は、間違いなく縁のある人たち。この人たちなくしては、わたしの人生は語れないですから。

わたしの小さな羽ばたきも、少しだけ誰かの心を揺らして、そして最後は自分に戻ってくるのでしょう。

どうせなら、パタパタと爽やかな羽ばたきをしたい。そうすれば、爽やかな風が少しだけ増えて戻ってくるかもしれない。

お節介おばさんだけど、お説教おばさんではないハリスのように、

機嫌よく生きようとしているハリスのように、

自分を活かして自立しているハリスのように、

そう、生きたい。

 

映画に心動かされる

わたしは昔から、将来こうなりたいとか、具体的なイメージを持った記憶がありません。

しかし、だからこそ、夢をみることができるのです。

固定化されないから、未来には無限の可能性がある(笑)

しかし、夢はないけれど、こうなったら、楽しいだろうなという妄想は、ほぼ毎日描いています。

統一性のない、荒唐無稽な妄想ばかりで、自分でも笑ってしまうこともありますが。

妄想なので、叶えようとか、叶えたいとか、そんな縛りがないのが、いいところ。

でも、それは未来に対して、なにかを期待をしているということではあるのでしょう。

これから出会う人がいるかもしれない。

縁が切れたと思われたあの人や、あの人とも、再会するかもしれない。

妄想を膨らませながら、いろんな人の顔を思い浮かべながら、家路を急ぎました。

映画を見て、こんなふうに心を動かされる自分。そんな自分が、なんとなく、好きだなって思いながら。


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りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

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4 件のコメント

  • りっつんさん、こんにちは~♪

    埼玉は寒そうだなぁ~(埼玉も!ですね、京都も盆地のおかげで寒いです。笑)
    ご飯美味しそうだなぁ~なんて思いながら変わらずブログ楽しんでませてもらっています♪

    今のバナー画像もとっても素敵ですね*^^*

    ミセス・ハリスの映画少し気になってたんです。
    やっぱり見に行こうかな~♪まずはジュリアロバーツの方を見たいと思いながらも(笑)

    あと、6年前ほどに見た映画で「Paris can’t wait」っていう映画があって(調べたら邦題はボンジュール・アンでした!)
    こちらも理由は違えど女性が1人でパリを謳歌する話、でも、いまいち「ん?結局…?」と何をみせたいのかわからない映画ではあるんですが(笑)、りっつんさんならどう感じるのだろうか、とふと頭をよぎりました♪
    でも、タイトル思い出しついでに調べてたら、評価の悪いこと、悪いこと(笑)
    もし何かのきっかけですんごい気になるか、暇で暇で仕方ない時にたまたま目の前にあった!な~んてことがあったらぜひ見てみてください(笑)

    あと、大人レゴがとってもとっても羨ましい!(笑)
    私もアウトレットにいったら必ずレゴ屋さんに行ってすんごい大きいのを買っちゃおうかと悩んじゃうことがあります。
    子どものころの「欲しかった」が今、爆発してるんですかね(-3-)♪
    完成とっても楽しみにしています♪♪

    冬時間の身体に負けず温活しながら、お互い頑張って冬を乗り越えましょうね~♪

    • キキさん

      こんばんは。

      京都も寒そうですね。
      いよいよ、冬が始まった感じがありますね。

      「ミセス・ハリス」ものすごくよかったです。
      友人もわたしも、もう一度観たいよねと。
      何か伝わってくるものがあります。
      後味のいい作品です。
      「ボンジュール・アン」ですね。
      機会があったら、観てみます。
      怖いもの、見たさです。

      大人レゴ、こちらは超おすすめです!
      悩まず、買ってください(笑)
      わたしは、この年齢で、レゴのすばらしさを知りました。
      死ぬ前に知ることができてよかったよ。
      レゴは子どもだけのおもちゃじゃない!
      すんごい大きいの、わたしも、欲しい(笑)

      身体を冷やさぬように、あったかく乗り切りましょうヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • こんにちは翠です。
    記事を読んでこれは私好みに違いないと、すぐにも観たかったのですが
    やっと、昨日「ミセスハリス・・・・」観ました。
    サルトルが出てきたりして議論好きと言われるフランスちょっと茶化してるってにんまりしたり、
    あー、羽ハタキ欲しいのよねとか、どうでもいいことまで、思いながら
    ずーっと良い気分で観ていられる映画でした。
    1940年頃~から1950年頃にたくさん作られたミュージカル映画を彷彿させますね。
    特に「パリの恋人」{オードリーが踊って歌います。(私はフレッド・アステアが大好き)}が似ています。
    りっつんさんに教えていただかなかったらスルーしてました。
    ありがとうございます!

    • 翠さん

      こんにちは♪

      「ミセスハリス」よかったですよね!
      サルトルが出てきて、ちょっとびっくりしました。

      登場してくる人よりも、壁とか食器につい目が行ってしまったり。
      いろいろと楽しませてもらいました。

      ミュージカル映画までは、思いが及ばす。
      「パリの恋人」なんて、観てみたいなあ。

      上演映画館が少なかったので、
      観られて、ラッキーでしたヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。