わたしと本と

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人生で出会う人の数は限られているように思いますが、そうでもありません。

現実に出会える人の数は限られていても、本という媒体を利用すれば、いろんな人の頭の中と出会うことができます。ほぼ、無限に。

これって、かなりすごいこと。

子どもの頃から、本とはとても身近に暮らしてきました。中学生の頃には学校の帰り道、本屋さんに寄るのが日課でした。

本棚の端から端まで眺めるのが大好きでした。そしてこれだ!という本を見つける。

読みたい本が手元にある時の幸福感は、ほかの何かでは代用できないものがあります。

 

答えは本の中から

夫にガンが見つかって、死ということに向き合った5年間。戸惑いつつ、1日も欠かさず、考えていました。

  • がんってなに?
  • 夫はこれからどうなるの?
  • どうしてわたしたちだけにこんな目に遭うの?
  • 人は死んだら、どこへ行くの?
  • 生きる意味って何?
  • 夫はどういう気持ちでいるんだろう?

?マークだらけの心の中。

心の中に渦巻く憂いや不安や複雑な心模様。こんな問題に答えてくれる人、どこかにいないの?

答えをくれる人が身近には思いあたらず、それなら自分で答えを探すしかないと、目についた本を片っ端から読み漁りました。

どれだけの数を読んだか覚えていませんが、とにかくたくさん読みました。中には相当怪しげな宗教の本までありました。

そして夫が亡くなる頃には、自分をそれなりに納得させられる「答え」のようなものを見つけることができました。

しかし36歳で見つけたつもりの「答え」も不変ということはありません。見つけたと思っても、それはある瞬間の錯覚の可能性も大いにあります。

それでも、あの「答え」は、芯にはなっているようです。

その芯になった「答え」を導いてくれたのは、直接会ったことのない人たちからの言葉。本という媒体を通して、間違いなく、助けてもらいました。

いろんな人の言葉がミックスジュースのようにドロドロに混ざり合って、そして固まっている。それがわたしの心の壁になりました。

 

体験の意味を知りたい

夫の病や死に直面しなかったら、こんなにも死や人生について考えることはなかったはずです。

経験しなくてはならないことの意味を、どうしても知りたかったのです。

自分の体験を、過去の人々の体験と照らし合わせてみることで、答えが見つかるかもしれない。

本を読み漁って分かったことは、わたしの体験なんて、あまりにありふれているということ。夫を失った妻の数なんて、あまりに膨大で数えきれない。

それほど考えなくても分かることなのに、それにさえも気づいていませんでした。

なんとも、この世の中は「別れる悲しみ」だらけなのです。

500年前も1000年前も、悲しみの種類はあまり変わりません。究極の悲しみは、たぶん愛する人との別れ。

そんなことが小説になり、随筆になり、後世に伝えられてきました。

「こんなことは自分にだけには起きない」とは思えなくなりました。

どんなことも我が身にも降りかかる可能性がある。

いま、それなりの覚悟はあります。

自分に起きる可能性があると思えば、それなりの心構えは必要。だから、想定の範囲は広くなりました。

 

だれかの思考を心に貼り付ける

本は素晴らしい媒体です。

身体がなくなっても、その人の頭の中の一部を、文字として残すことができるからです。

自分の体験をどう理解するのか

だから、困難に出会ったときは、誰かの思考を自分の中に取り込ませてもらうチャンス。

壁を塗るように、いろいろな思考を、自分の中に貼りつけていく。自分の壁を頑丈にしていく。そうすることで、生きることに対して、理解が深まる気がします。

カレンダーを見て、思い出しました。

自著を出してからまもなく1年を迎えるということに。

わたしが書いた本、たくさんの人に読んでいただきました。

本当にありがとうございます。

だれかの心の中で、壁材の一部になっていたらとしたら、これほどうれしいことはありません。


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りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

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10 件のコメント

  • おはようございます
    久々の土曜日休みで、娘が連れ帰っている猫とダラダラしています。
    今日のお話、私が2年半前に感じたあの思いをりっつんさんが文章にしてくれました。
    私のまわりには、まだまだ幸せな人ばかりで、どんなに優しい人や親戚も「頑張って」と声をかけてくれましたが、頑張るしかないのです。それがつらかった事です。
    私が経験しなければならなかった事の意味
    はなんなんでしょう。夫の死後、おちついてからそんな事を毎日毎日考えていました。答えを探していました。死について考えていました。りっつんブログに出会えた時はドキドキしました。私だけじゃないんだと。少しずつ強くなれました。ブログを読めば読むほど、ヒビの入った壁が厚塗りになりました。本当に感謝しています。
    東に移動の際には、どうぞお気をつけて。
    エピデンスは、怪しいですが、私は、二重マスクでお口や鼻を密閉しています。暑いです〜

    • まめぴよさん

      おはようございます。
      いいなあ。猫と一緒。しかも責任のない猫(笑)
      わたしも借りたい!

      さて、こちらこそありがとうございます。
      経験に耳を傾けていただいて。
      聞いていただけることで、癒されているのです。
      わたしだけどゃないって。
      もうじゅうぶん頑張ってきたのに、
      それ以上頑張れないよなあって思って、
      そう言われるたびに、ムカっとしてました(笑)
      ひとごとなんだよなあって。
      以来、本当の優しさ、見極められるようになりました。

      なんとか、あまり人に触れ合うことなく移動してきました。
      二重マスク、それなりに効果がありそうですよね。

  • しばらくパソコンを閉じていたのですが、久しぶりにりっつんさんのブログが読みたくなって
    開いてみました。
    昨年の今頃、りっつんさんのブログを教えてもらい、心救われ、本も買いました
    いつの時代も、悲しみや心の葛藤、不安に打ちひしがれそうになるのは変わらないことだけど
    先人たちの知恵を借りながら、自分の心を強くする、物事のとらえ方を変えるだけで
    幸せ感は違ってくるのだということを深く感じることができました

    「生きるってことは何事もありだな」っていう心の持ちようは大事ですね

    りっつんさんの言う「機嫌のよい婆」でいるべく、これからも楽しく過ごしてまいりたいと思っています
    また、ブログ訪問楽しみにしています(^^)/

    • 啓子さん

      おはようございます。
      お久しぶりっこ!

      読んでいただいて、うれしく思います。
      ありがとう!

      自分で自分の機嫌をとる。
      これが楽しく生きるコツ。
      そうわたしは信じて、今日も生きてますヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • りっつんさん!こんにちは。私も本が好きです。りっつんさんの本は私の誕生日に買いました。誕生日まで待ちました。自分へのプレゼントとして。
    いつも私の心の中の壁を作ってくれています。ありがとうございます!

    • しおさん

      おはようございます。

      とっても嬉しいコメントでした。
      1年に一度の誕生日のプレゼントにしてくださったなんて。
      本当にありがとう!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • 子供の頃(小学生まで)は、よく本を読んでいました。
    物語が好きで、
    どんな国の、どんな話?と、わくわくしながら読んでました。

    本の、想像力を駆り立てる部分が好きです✨

    • さっちさん

      おはようございます。
      本は世界を広げてくれますよね。
      これからどんな本にであうのか、楽しみです。

  • りっつんさんこんばんは。
    久しぶりにコメントいたします!

    私も離婚で大変なとき、本を読みまくっていた時期がありました。

    なんでこんなことになったんだろう?
    人生ってなんだろう?

    人生の壁にぶつかった時に本に答えを求めていました。すぐに答えが得られるわけではなく、数冊の本が融合して今の自分になっている気がします。

    りっつんさんの記事を読んでそんなことを思い出しました。
    ありがとうございました(^.^)

    • Licoさん

      おひさしぶりです!
      困ったときには、本ですよね。
      本を読むことで、自分の考えていることが言語化されて整理されて。
      どれだけの本に助けられたか分かりません。
      そして、Licoさんと同じように融合して、
      いまの自分を作っていると思います。

      これから、どんな本に出会うか、楽しみですよね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。