親と苦労を分かち合った子どもは親孝行であるという説

曽野綾子さんの『晩年の美学を求めて』というエッセイを読みました。

 

親孝行と苦労の関係性

ズバズバと世の中に物申す曽野さん。なかなかあそこまでは言えないので、スカッとします。

さて、ズバズバなご意見の中で、特に心に残ったフレーズがありました。

親孝行な子供とその親がどうしてできるのか一つのかぎがある。親との生活の中で親と苦労を分かち合う体験を持った子供だけが、親を大切にする。

親が子供に艱難辛苦を強いず「子供だけには苦労させたくない」と思う場合には、子供がなぜか大人に育たない。

『晩年の美学を求めて』より

ずっしりと響きました。

 

 

親心って複雑

息子たちは自立した大人になりました。わたしに何の心配をかけることもありません。これこそが親孝行というもの。

しかし逆説的に言えば、親孝行な息子たちは苦労をしたんだということ。

そんなこと思う必要はないと言われそうですが、苦労をさせたことをすまないと思うのも、親心。思ってもみなかった自分の感情に驚いています。わたしもやっぱり親の端くれなんですね。

わたしは 今、自分は苦労なんてしたっけ?と思っています。でも、それなりの苦労はしたことを思い出すことがあるのです。

同様に、息子たちも父親がいないということで、苦労したことがあったはず。母親としては、そんな息子たちがふと不憫になるのです。

夫との死別は自分で選択したことではないので、どこかで運命を恨めしいと思っているのかもしれません。人間って、つくづく複雑だなあと思います。

 

我が家のエピソード

つい最近、こんな話を伝え聞きました。

夫が亡くなったときに小学5年生だった長男。

当時近所に住んでいた自分の同級生のお母さんに会ったときに、こう言って頭を下げたと言うのです。

「うちのお母さんをよろしくお願いします」

通夜のとき、わたしの隣に立ち、一緒に頭を下げていた長男の姿を思い出します。葬儀のときにも、わたしのそばから離れずにいてくれました。

あの頃、ほぼわたしの背丈と同じくらいだった長男。横を向くと同じ位置に長男の顔がありました。

どんどんわたしの背丈を超えて、翌年にはわたしより10センチも背が高くなりました。とても小学生には見えない身体と雰囲気。卒業式では同級生の中でもっとも大人びた人でした。

きっと、父親の最後の脈を自分で確認したときから、何かを覚悟したのかなあ。

 

晩年について

誰かに守られながら、ふわ~っと、もっと力を抜いて、生きてみたかったなあ。正直に言えば、そんなことを思わないでもないです。

こんな生き方になるとは学生時代には思いもしなかった。もっと優雅な人生になるはずだった(笑)

でも今は、これが自分の人生なんだと、受け入れています。すべてに納得しています。

年月を重ねるだけで、人は賢くはなれるわけではありません。何かを学ぶだけで、人は賢くなれるのかといえば、それもあやしい。

どうしたら賢くなれるんだろう。そう考えながら進むしかないです。

自分の晩年がいつになるかは、わかりません。今年かもしれません。今日が今年のその日かもしれません。

「よき晩年」にできるかどうかは、今をどう生きるかだけにかかっている。そう言い聞かせています。

どんな年齢であっても、晩年を考えることは決して早いことではないと、わたしは思います。

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4 件のコメント

  • りっつんさん、いつの間にか梅雨に入ってました。

    今日の話題、身につまされます。
    いつも思うのですが、自分で選んだ別れと死別には、大きな差があるなあと思います。

    ここが、私とりっつんさんとの違いかな。

    もう一つ、私は、賢くならなくてもいい、お馬鹿さんのままで死んでいきます。

    • しばふねさん

      おはようございます!
      いよいよ梅雨ですねえ。

      もしかすると、わたしも自分で別れを選んでいたかもしれないです(笑)
      たまたま死別になりましたが。いろいろありましたよ。

      人はみんなそんなに賢くなれずに終わっていくものなのでしょうね。
      いつ終わるかもわからずに生きているのだから、すごいことですよね。

      • りっつんさん、おはようございます。

        今朝も「はね駒」からの「エール」堪能しました。
        「はね駒」のおみつの運命は、嫁ぐ前に姑が犬の置物を持って来た時から
        暗示されていたように思います。
        そして、「エール」。薬師丸さんのセリフ「あっという間だった」に深く頷き
        私には、天国から下りて来て「ありがとう」っていってくれる人はいないんだと
        ちょっとしんみり。子育てのパートナーは、やはり夫に代わるものはないんです。
        いくら周りから、「よく頑張ったね」と言われても、心に伝わる密度が違う。
        朝からいろいろなことを感じさせてくれる両ドラマに感謝。

        • しばふねさん

          こんにちは!
          おみつ、見ているだけでつらくなります。
          今日は納屋に入るシーンで、思わずチャンネルを変えてしましました(涙)
          おみつのような運命の女性はきっとたくさんいたんでしょうね。

          「エール」の天国での宝くじって、面白いですねえ。
          夫も当たったら、一応は顔を見せてくれると思います(笑)

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    ABOUTこの記事をかいた人

    りっつん

    1957年生まれの60歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。好きなミュージシャンは山下達郎。 時々、3歩あるくとすべてを忘れる「とりっつん」に変身してしまう。