88歳と72歳の「やめどき対談」を読む、出家気分中の63歳。

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最近、対談集を読むことが、よくあります。

それぞれの考え方がくっきりと浮き上がってきて、なかなか面白いのです。

『人生のやめどき』というこの本は、88歳の樋口恵子さんと72歳の上野千鶴子さんの対談。

少し先をゆく先輩たちの話は、とても興味があります。

10年後、20年後の自分を想定してみるのも面白いかなと、読み始めました。

“しがらみを捨ててこれからを楽しむ”というのが、サブタイトルです。

 

自分の役割

わたしは1人しかいないけれど、いろんな呼ばれ方をします。

娘だった時もあり、妻だった時もあり、母親だった時もあり、今は祖母だったりするので。

だけど、それは役名。

しかも、いっときの役”というだけのこと。永遠に続く役ではありません。

そして、このいろんな役こそがしがらみ”ってことです。

いま、久しぶりに、長男家で過ごしています。

息子にとっては母親であり、嫁にとっては姑であり、孫にとっては祖母であるわけだけど、どの役もあまりピンときません。

同じ時を同じ場所で過ごしていると、つい錯覚してしまうけれど、家族とはいえ、そもそも環境はかなり違うのです。

親と子の環境の違いはあまりに大きいのです。どんな信念で育てても、その親とすっかり同じ考え方をする人にはならないです。

それぞれが、それぞれの環境に合わせて、居心地のいい場所を探していくしかない。

そんなことに気づいてしまったせいなのか、たぶん、すでに役を降りているのです。

それは自分で役をやめようと決めたわけではなくて、自然の流れの中で、たどり着いたこと。

“やめどき”というのは自分の意思で何かをやめるということで、とても自発的。

“やめどき”を意識せずに、自然に役を降りているのなら、それはそれでgoo!

 

死んだ後のこと

お2人は自分の死んだ後の希望についても語られています。

上野さんの「遺骨はあそこに」という希望には、笑ってしまいましたけれど。

実はわたしは、自分の死んだ後のことについては、まるで興味がありません。

最期の息をするまでは、こうしたいという願望がありますが、どう葬ってほしいとか、まったくありません。

誰の骨と一緒だろうと、全然平気。

この世から消えた後に残るわたしの身体も含めた物体については、この世にいる人たちに100パーセント任せる!

死んだ後に意識が残るなら、話は別だけど、たぶん意識は残らないと思うから、地球のチリとして漂っていきます。

この世でのしがらみから抜け出して、何か別な世界に行くのだと、信じています。

息子たちはもうわかっていると思うけれど、しつこいけれど、

お好きなように、どーにでもしていい!

 

断捨離している理由

お2人はご自分の所有物については、始末をせずに、お金を残してそのお金で処分をしてもらうという考えのようです。

わたしは夫の残した荷物の処分に時間と手間をかけたことで、こんな仕事を誰かに残したくないと、ひとり暮らしを始めたころから、自分の荷物の処分も始めています。

が、ここで思わぬ副産物がありました。

自分の荷物の片付けをしているうちに、物が少ないほうが暮らしが楽になるということを知ったのです。

つまり、いま断捨離を進めているのは、この世で暮らす自分の時間を、よりよくするため。

いつの間にか自分のために断捨離を進めていたというわけです。

物が少なくなり、暮らしは快適になりました。

今回息子の家に持ち込んだ持ち物はクロネコヤマトの中サイズの段ボールに1個分。自分で持ち上げられるレベルの大きさです。

服とか化粧品とか文房具類とか、そんな物です。

かれこれ10日を過ごしていますが、なんにも困ってはいません。

食べることを除けば、これだけあれば、暮らせるじゃん。

食べることだって、鍋とフライパンがあればなんとかなりそう。

これから何日滞在するかは未定ですが、しばらくは大丈夫かも(笑)

自分の家を大好きな空間に。4LDKを2LDK気分の家にする。

2021年5月13日

 

本当に必要な物

実は、本当に必要な物なんて、それほどないってことに、改めて気づいています。

一か所にずっといると、物に執着してしまうのかもしれません。たまに引っ越すのもいいことなのかもしれません。

あれがないと、これがないと、暮らせない!

そんんなことは、実はないのです。

“あったらいい物”は、“ないと困る物”に変身していく。

不安をかき立てられて集めた物も、けっこうな数ありました。

そして、その物たちのパワーに押される日々。

たまに、自分の持ち物から解放されてみるのも、面白い体験です。自由な気分を味わえます。

昔の人が歳をとって旅に出たのは、執着をなくすためだったというのも納得できます。

片付けを進める理由は、嫁に行くから!だけではない。

2019年10月14日

 

役を見つける

1人で暮らしていると、固定的な”役”はありません。

なにものでもない自分。

今の自分を例えるとしたら、劇団員ではなくて、時々借り出されるパートタイマー役者。

だから場面ごとに、自分を使い分ける。自分を活かす場所があれば出向いてみる。

どうせやるなら、役に徹する。

そして、それが、ほんの少しでも役に立てれば、なんだかうれしくなるのです。

この世は舞台。

演じる役もどんどん変えていけばいい。面白い役があるかもしれません。

そして”役”から解放され、”物”から解放された時に、どんな景色が見えるのか。それも楽みです。

それこそが老境の醍醐味ってことでしょうか。

人生のやめどき?

って、それは、この世から去る時ですよね(笑)

「ばあばは寂しいの?せいせいしているの?」嫁の質問に答えます。

2018年8月19日

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りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

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6 件のコメント

  • りっつんさん
    お久しぶりです。

    真理を、この世の形に置き換えて、とても分かりやすく
    言葉にしてくださって、晴れ晴れと視界が開けます。
    いつも、ありがとうございます。
    私たちは魂で、体は魂の乗り物。
    私も、そう思っています。

    • かぐやさん

      こんにちは。
      本当に、身体については、なんの未練も感じないのです。
      確かに、そう思えば、視界が開けますね。
      どんな世界がまっているのか、ちょっと楽しみです。

  • こんにちは。
    同感、同感、我が意を得たりと
    読みました。
    断捨離にパートタイマー役者!
    断捨離と言うとまだ早いとか縁起でも
    ないとか言われる方がおられますが
    今を、これからを気持ち良く前向きに
    過ごす為の手段ですよね。
    片付けると気持ちの持ちようが
    変わって来ますね、不思議と。
    役者稼業もオムニバスで楽しみたいと
    思います。ババ専門はご勘弁。

    • キャサリンさん

      こんにちは

      死ぬために断捨離してるんじゃないですよね。
      最後の最後まで、よりよく生きようという心意気。

      役者家業だと思えば、楽しく過ごすことができるもんです。
      ここ数日、犬の調教師というのも加わりました(笑)

  • りっつんさん、おはようございます。
    タイムリーな本のご紹介ありがとうございます。

    最近は、購入よりも図書館リクエストが多くなりました。
    断捨離の一環です。

    「執着を捨てる」いつも心がけていることです。
    悩みは、すべてそこから生まれます。

    • しばふねさん

      執着さえなければ、
      平穏な気持ちで暮らせることは間違いないです。
      日常を出て、
      旅に出ることも、効果があるような気がします。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。