未亡人の子育て。最大の試練は「子離れ」。

※本サイトで紹介している商品・サービス等の外部リンクには、アフィリエイト広告を利用しているものがあります

夫を亡くした時、わたしは36歳。息子は10歳と8歳でした。

あれから25年が経ちました。わたしはその中の15年ほどを子育てに費やしました。子育てを卒業して10年が経過しようとしています。

わたしのような人がたくさんいるとは思えないけど、わたしだけでもないかもしれない。

今、夫を亡くして母親業を頑張っている人たちに、わたしの子育て体験を読んでもらえたら、うれしいです。

未亡人の再婚に関するメリットとデメリット。わたしが再婚しなかった理由。

2018年3月29日

未亡人になった私が抱いた3つの不安とそれを乗り越えた方法

2018年3月21日

 

子育ての最終目標は、子どもの自立

わたしの子育ての最終目的は自分で生きていける人になってもらうことでした。

つまり親としては自立させることが子育ての最終目標ということです。

では、自立とは何か?

自分で稼いで、自分で生活をして、自分の力で生きていくことです。

自立なんて当たり前のことのようですが、この時代、これが案外と難しいものなのです。

わたしのような未亡人にとっては、子どもが自立するかどうかは大問題です。難しいなんて言ってられない。超本気で向き合わねばならないことなのです。

 

未亡人の最大リスクは子ども!

わたしが子育ての最終目標を意識し始めたのは、息子たちが高校に上がったころでした。夫が生きていたら、そんなことは、まだ考えなかったかもしれません。

こんな事実に気がついてしまいました。

子どもが自立できなかった場合、未亡人の老後リスクは2倍。

親が2人ならリスクは半分になる。

だけど未亡人の場合には、子どもが自立できないと、本当にヤバい。

わたしには2人の息子たちを背負い続ける経済力も精神力もない!

それでは、自立させるためには、親としてどうすべきか。

子どもたちが大学を出たら、3人がそれぞれの人生に舵を切っていく。

それぞれが自分を養えれば、共倒れになることはない。

わたしも自分一人のことなら、何とかなるし、そうしなくてはいけない。寄り掛かり合ってはいけない。

わたしも一人で生きる覚悟を、強く持たなくてはいけないと思いました。

だからこそ、心の中で自分に言い聞かせるようになりました。

大学卒業後は、絶対に面倒はみない!

つまり、完全なる経済的な決別です。

それぞれが自分の暮らしを立てる。

わたしも自分の生活を守る方向に舵を切ると決意しました。

 

20歳を過ぎたら覚悟する

家から出す覚悟

1人の人間として自立していくためには、20代は大変貴重な時期です。この時期にどんな人と出会うのか、どう過ごして、大人になっていくのか。

そういう大事な時期を子から奪ってはいけない。

親がかばっていると、人に会うチャンスを奪ってしまうこともあります。

まだ成熟しているわけではないし、経済的にも頼りないかもしれないけれど、一歩を踏み出させる。

大学を出たら、家から出てね。

しかし、そうは言っても、子どもを家から出すということは、親にとっては「子と離れる」ということ。

これは本当につらいことなんです。実際にやってみて、そう思いました。

実は父親のいない暮らしというのも、意外と悪くないことを明かしておきます。

子どもが大きくなってくると、子どもを守るということから解放されていきます。子どもたちは大きくなるにつれて、頼もしくなっていくからです。

会話も進むし、父親との衝突もないので、平和なんです。手放すには惜しい人材。

だけど、子どもたちとの居心地のいい空気に包まれて「ずっと、このままでいいわ~」なんて、思っちゃいけないんですよ。

ここが自分との勝負どころ!

 

方針は、見える結果がすべて

息子たちが大学生になったころから、わたしは息子たちが何をしようとも、基本的には放置していました。

心の中ではしばしば「このやろう~」と思っていましたけど。

自分で自分に責任を持て。

授業に出ようと出まいと、わたしの知ったこっちゃない。夜に帰らなくても知ったこっちゃない。

だたし、留年だけはダメ。

これは単純にお金の問題。父親から預かったお金は4年分しかないのだから。

ゆえに、彼らの成績表もほとんど見たことはありません。見ても意味がないから(笑)

わたしの大学生に対する方針
  • 就職さえしてくれれば、どんな成績でもいい
  • どういう仕事につくのかは、自分次第
  • 自分でつかんだ仕事で得た金で、生きればいい
  • 時間は君のものだから、どう使おうと自由

こちらが本気でないと、見破られます。

子どもは親の心を見透かしてるものです。こちらが本気にならないとダメです。

たぶん息子たちはひしひしと母親の覚悟を感じていたいたと思います。母ちゃんはヘラヘラしてるけど、いざとなったら譲らないヤツ。

子どもは、スネをかじって、骨の髄まで吸う生き物。

かわいい顔してるけど、何を考えてるかわからない。自分のこと考えたら、そう思います。

子どもは自分の人生のことしか考えてない。それでいいのです。

「親のことを一番に考えてくれている」なんて思うのは、親の都合のいい勘違いです。

 

次男の新居

あまりに近い転居先

長男が23歳で家を出て1年後。次男が家を出て行くことになりました。年子だから、生まれる時も続けざま。出て行く時も続けざま。

さてさて、次男が出て行った先をご紹介します。

これはちょっとしたアイデアでもあります。

最初に聞いた時には「バカ言ってんじゃねえよっ!」と笑い飛ばしてしまいましたが。

次男が選んだ新居は、

実家から徒歩15分の新築マンション

家賃がもったいない!!┐(´~`)┌

わたしもそう思ったし、誰でもそう思うでしょう。しかし、次男は荷物をまとめて、出て行きました。

 

時間はお金では買えない

次男が住んでいたマンションの家賃は7万円。

次男は2年間、そのマンションに住みました。

賃貸料として2年間で支払ったのは168万円。敷金などを入れたらかかった費用は200万円越え。

もちろん、家賃は息子が払いました。だから初年度は余裕がなくて、ほとんど遊べなかったようです。

同じ町に住んでいても、15分の距離があると、お互いの生活には簡単には干渉できないものです。何やっているのか、さっぱりわからない。でも、何かあれば助け合える。この安心感は大きかったです。

あの時、次男がお金を惜しんで、家を出て行かなかったら、次男の人生の始まりも遅れたと思う。時間はお金では買えない貴重なものなのです。

次男は自分の足で歩き始めて、2年後には無事にこの町から飛び立っていきました。

ちなみに、長男の場合は大学院の修士課程2年間は月6万円を仕送りしました。総額では150万円ほど。家から通える範囲でしたが、自立する&させる道を選びました。

生活費には奨学金を当てました。その奨学金は成績がよかったため、返済免除になりましたので、勉強することで稼いだことになりました。

 

子育ての最大の試練

子どもを2人育ててきて、本当にいろいろなことがありました。

難しいこともありました。

そんな経験を経て、子育てを卒業した今、こう思っています。

子離れは、子育ての最大試練!

そして、未亡人としてはこんなことを思うのです。

子離れがうまくできてこそ、

未亡人には明るい人生がある

我が家は普通の家庭より、密着感があったと思います。

3人でぴし~っと肩寄せ合って暮らしてきました。だから、子が離れていくのは本当に寂しくつらかったです。

わたしは1人が好きなわけではありません。強いわけでもありません。

誰かと一緒にいることが選べるのなら、選んだかもしれない。

だけど、親の務めとして、子どもを自立させなくてはいけないのです。

「子離れ」では、自分の成熟度が問われる。

10年前にはこんなことを思ったことを思い出します。

「夫の死で泣いて、子との別れで泣いて、失い続ける人生」

しかし、この寂しさを抜けて、初めて人として成長したように思います。

親と子は共に暮らすということを終えることでしか、見えてこない未来がある。

 

子どもを手放して、今、思うこと

そしてわたしの人生もまた、新たなステージを迎えました。

夫と別れ子どもと離れ、本当の自立が始まりました。

子どもと離れてから、本来の自分に戻ったような気がします。

生きている実感みたいなものを味わっています。子どもと暮らしていた時とは違う充実感があります。

一人で食べるごはんもおいしいです。

そしてなにより、現在の人間関係に満足しています。

一緒に暮らすかどうかなんて、幸福感や充実感とはあまり関係ないかもしれません。

子どもと一緒に暮らさなくても、幸せ感は自前調達できます。

簡単ではないかもしれないけれど、やれるはずです。そ

もそも幸せ感を子どもに依存してはいけないのです。

子育て中の未亡人にエールを送ります!

子どもを手放すことを、恐れることなかれ! 

空いた手に、また握るものが訪れるのです。手が空いていないと、何も握れません。

自立した子どもたちとは、決して縁が切れるわけではありません。自立した子どもたちはよりいっそう心強い味方になってくれるものです。

一緒に暮らしていなくても、わたしは孤独を感じることはありません。どこかでつながっている実感が強くあります。

親子の関係も新しい関係に変わっていくだけ。

本来、人間関係というものも、形を変えていくものなのです。今やわたしは親子という関係にも、あまりこだわってもいません。

血縁だけでなく大事な縁を、わたしはたくさん握っています。

好きな人たちと一緒にいたい。それがたまたま、息子だったり、嫁だったり、孫だったりというだけです。

自分が気持ちよく過ごせる人たちと、時間を共有するのは、たいへん贅沢なことだと思っています。

未亡人の未来は明るいよ!ヽ(^。^)ノ


にほんブログ村 ライフスタイルブログ シンプルライフへブログ村の「ライフスタイルブログ」のランキングに参加中です。いつも応援クリックありがとうございます♪


りっつんブログが本になりました。

経験談や人情話から猫話。そして実用的な老後のお金の話まで。心を込めて綴りました。

「老後のお金」など、ブログではあまり触れていない話題にもかなり踏み込んで書いているので、お手にとって頂ければ幸いです。

スポンサーリンク
スポンサーリンク


8 件のコメント

  • はじめまして。
    いつも拝見しております。りっつんさんのブログは、本当に参考になります。
    特にこの記事。もう何回も読ませて貰ってます。つまり正に今、私がこの時期に立っているんです。
    納得する内容です。「幸せ感を子供に依存してはいけない。」これ、叩き込もうと思ってます。
    だって、その通りですよね。有り難い記事に感謝です。因みに私は未亡人26年になりました。

    • マーサさん

      返信が遅くなってごめんなさい。
      コメントがスパムに誤認識されていました。m(_ _)m

      遅ればせながら、初めまして!!
      コメントをありがとうございます。
      ほぼわたしと同じくらいの未亡人歴ですね。
      そういう人がいると、なんかうれしい(笑)

      子供はかけがえのないものです。しかし、それはそれ。
      自分の幸せを見つけるためには、子供に依存していたらみつからないと思います。
      1人で始まって、1人で終わる。そういうものなのだと思います。

      マーサさんの地方は桜はどんな感じですか?
      わたしはこれから、1人お花見に出かけようと思っています。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • 初めまして。
    母の日の今日、ふと一人の寂しさや不安な気持ちにとらわれ、たまたまりっつん様のブログにたどり着きました。
    【3つの不安】の記事を読んで、次にこの【子離れ】の記事を読みながら涙が止まりませんでした。私の中にある漠然とした想いがバシバシと噛み合ってコメントせずにはいれませんでした。

    3年前の冬、夫の突然の事故により未亡人になりました。長男は大学1年、次男は高校2年生でした。人生は一変し、当たり前の毎日は決してそうではなく死はすぐ隣にある身近なものと強烈に思いました。 けれどもこの3年、家族や友人に支えられて今日まで来れて、何より2人の息子たちが生きる希望であり頑張れる源となっています。
    だからこそ、この記事で涙が止まらなくて。りっつん様が経験してこられた事、想い、言葉のひとつひとつが心に沁みてしまって。でも、子離れこそいつか克服すべき最大のテーマなのですね。

    長くなり申し訳ないです。
    想いがまとまりませんが、りっつん様のブログに出会えて嬉しい気持ちが伝わればいいな。
    ほかの記事もまたゆっくり拝見させていただきますね。

    • カーネーションさん

      「りっつんブログ」にたどりついてくれて、ありがとうございます!
      突然の事故でご主人を亡くされたとのこと。
      急なことで、まだまだ心の整理などつくはずもありませんよね。
      わたしは覚悟の別れでしたが、それでも何年も整理がつきませんでした。

      さて「子離れ」は、子供を育てさせてもらった人すべてが、
      克服すべきテーマだと、わたしは思っています。
      なんのために「子育て」をするのかいえば、
      「子離れ」をするためにするんじゃないかと思うほどです。
      自分の時間と愛情を注いだものを手放せるかどうか。
      自分のためでなく、他者のために。
      自分と他者をきちんと分離させることができるかどうか。
      大きなテーマだと思います。
      だからこそ「子離れ」をして、見えてくる世界があるのです。
      子離れは大事業です。夫を見送ることも大事業です。
      たぶんカーネーションさんの10年ぶんくらい先を歩いているわたしです。
      子離れした後の未亡人の生活も、
      「寂しくはない!」ということを感じていただけたら、うれしいです。

      自立した息子たちは、暮らしは共にできなくても、実に頼りになる存在ですよ。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • りっつん様

    さっそくのご返信誠にありがとうございます。
    ご丁寧で明快で読んでいるだけでお力を頂くようなりっつん様のお言葉、ほんとうにありがたく思います。
    最後の3行は特に!心に響きます。

    長男は今春から社会人となり次男は大学2年生で共にそれぞれ離れて暮らしております。私も一人生活2年目ですが夫は居ずとも義両親とは隣家暮らしと、取り巻くものは様々、日々想い揺れながら、やはり子どもたちの元気や成長を糧に頑張れています。

    日々、たくさんの想いをブログにされているのですね。今、こうしてりっつん様のブログに出会えたのもまた何かのご縁と感謝いたします。いっぱいいっぱい読んでお力をいただきますね!
    また想いがあふれたらコメントさせていただきますね。 ご返信嬉しかったです!ありがとうございましたm(_ _)m

    • カーネーションさん

      おはようございます。
      もうすでに子離れができているんですね。
      わたしは子と離れて暮らすことが「子離れ」の第一歩だと思っています。
      子供の気配のない暮らし。それがどんなことなのかは、経験した人でないと分かりません。
      ご主人を亡くされて、子供さんたちが離れていって・・・
      激変した環境に対応されているのですから、寂しさが襲ってくるのは当然の当然です。
      わたしが15年かけてやったことを数年でやられているのてすから、すごい!
      でも、ここまでできたのなら、もう大丈夫!
      新しい暮らしのスタイルができていきますよ
      また、いつでもコメントしてくださいねヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • りっつんさんのブログに今日出会いました!もう人生の師匠としか言いようがない!とまで思います。
    私は2年ほど夫を看病した後、私が46歳で夫が49歳の時に夫が亡くなりました。
    夫が闘病中、店を経営する従兄と義兄(他社で役員)に迷惑をかけている上、次男が不登校になって以来ウツになり、亡き後も次男は自宅に2年程引きこもっていましたが、気持ちの整理もつかないまま急かされて社会復帰したもののうまくいきませんでした。
    それは私のタイミングではなく、義兄たちに急かされて焦っていたのかも。薬も飲んでいたし・・・減薬中でした。
    りっつさんと同じ息子2人ですが次男が高校一年の時に引きこもり、スクールカウンセリングにも通い、通信高校を何とか卒業したもののその後1年ほどニート生活が続き、私の仕事を辞めたタイミングで去年自動車免許だけは取りました。但し今も仕事はしていません。長男は3年前に就職していますが自宅からの通勤です。
    私は私、と割り切っているものの息子たちを自立させてこその子育てという部分ですごく共感出来ました。田舎だし寂しそうに過ごしていないと未亡人としては失格なのかと思って最近、元気が出なくて自宅で家事だけをしている感じです。

    • ちーちゃんのおかあさん

      初めまして。
      コメント、ありがとうこざいます。
      きっと、わたしのブログに来てくださったということは、
      ちーちゃんさんがなにかを探していたからだと思います。
      探していれば、なにかが見つかるものです。
      探さなければ、なにも見つけることはできませんから。
      だから、一歩は進んだのですよ。
      少しずつでも、歩くしかないのです。自分の足で。
      わたしは意地でも「寂しい人」と思われたくなかったので、
      ずいぶん無理しました(笑)
      「未亡人失格」っていいかも。
      ここに来てくださる未亡人さんたちの中には、そういう方もいるはず。
      ちーちゃんさんも「未亡人失格」というステッカーを自分に貼りましょうよ!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    CAPTCHA


    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。