鎌倉ばあちゃんから、ハムが届く。

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「鎌倉ばあちゃんからハムが届いた」と関西に住む長男から電話がかかってきました。

たぶん、ばあちゃんからの初めての贈り物?

こりゃ、大事件じゃ。

 

鎌倉ばあちゃんってこんな人

鎌倉ばあちゃんとは、夫の母親です。つまりわたしの義母。姑。

50代半ばで夫を亡くし、60歳を過ぎたころに息子(わたしの夫)を亡くし、75歳の頃までは娘一家と暮らしていましたが、現在は1人暮らし。

わたしの夫である息子の死後、わたしたちとは15年ほどまったく連絡し合わない状態が続きました。

しかし、義母は75歳の時に娘一家との同居を解除。

1人で鎌倉の山の上に家を建てて引っ越しました。その頃から、時々連絡を取り合うようになりました。やはりどこかで誰かと繋がっていたいという思いはあるのかな。

自分の価値観が絶対なので、ほかの人を認めようとしない。年をとったからではなくて、わたしが義母を知った頃から、変わらずです。

人は年を重ねただけでは変わらないものだなあと、思います。

日常を積み重ねても、価値観を変えるような出来事(肉親の死)に出会っても、本質的な部分は変わらないものなのかもしれません。

そんな人なので、義母の生活に踏み込むことはせずに、それとなく様子を見守っています。

あんまり近づくと、ヤケドするから(笑)

 

ばあちゃん担当は長男

現在、鎌倉ばあちゃん担当は長男です。2年ほど前にバトンタッチしました。というか、義母がそうしたいようなので、そうしています。

子どものころから、あんまり付き合いのなかったばあちゃんだけど、息子はちゃんと対応してくれています。

わたしよりも話しやすいようです。もしかすると、息子と勘違いしているのかもしれません。声も似ているので。

やっぱり血のつながりがある人のほうがいいのかしら?

義母は言葉と行動がちゃんと一致しています。頑固なまでに。自分の価値観が絶対なのだけど、それは行動にちゃんと裏打ちされています。

医療も信じていないので、病院にも行きません。

その覚悟の強さゆえ、88歳で目が見えなくなっていても、歩けなくなっていても、多少ボケていても、ちゃんと暮らしているのです。

息子によると、ハムは生協経由で送られてきたとのこと。

義母は生活用品のすべてを生協でまかなっています。買い物に出かけられる足力はありません。なので、敷地内から出ることはほぼありません。

週に一度は生協が届く。それが生存確認。

生協からハムが送られてきたということは、ちゃんとだれかと繋がってはいる。

まだ、大丈夫だね。

 

特別な糸巻きハム

ばあちゃんから送られてきたのは、糸で巻かれたハムだそうです。

「これは特別なハムだから、大切に食べる」

ひ孫のともたんの言葉です。大事そうにハムを抱えた姿が目に浮かびます。

ともたん、糸で巻かれたハムは高級だと思っているのだそうで(笑)

ともたんは鎌倉ばあちゃんに会ったことはありません。ゆっちゃんは1歳の頃、一度だけ会ったことがあります。

会ったことはない2人だけど、ひいばあちゃんとひ孫の繋がりを感じて、ホンワリしました。

義母がいたからこそ、わたしは夫や息子たちと出会うことができました。

そして、2人の嫁たちがいたからこそ、わたしは孫たちに会えました。

義母も2人の嫁とも、血は繋がっていません。まったくの他人。だけどその人たちのおかげで、息子や孫に出会えました。

そうやって考えてみると、血の繋がりなんて、大したことないのかもしれないと思えてきます。

繋がっていない人たちが、繋げていくもの。

繋がったり、ほどけたり。もしかすると、隣の人とも、5代前には血縁関係があったかもしれません。

わたしは1人で暮らしているけれど、義母のように1人で生きていくつもりはないです。

困った時には、助けてもらいたい。義母ほどの覚悟はありません。

だから、わたしは息子たちとも、嫁たちとも、近所の人たちとも仲良くしていたと願っています。

自分の暮らしは自分で立て続けたいと思っているので、その上で、好きな人たちと仲良くしていけたら、サイコーかな。


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8 件のコメント

  • すごく共感しました!
    生活面では自立していたいけど、困っ時は助けてくれる仲間がいる。
    これって最高の贅沢ですよね!

    義母がいなければ夫や息子にも出会わなかった・・・そうなんですよね。
    いくら自分と考えや生活スタイルが合わなくても、姑がいなければ今の自分の生活も無かった。
    と思うとなんだか不思議ですよね。
    もう今月で3歳になる息子も、これからどんな出会いをし、別れを経験してどんな価値観になっていくのでしょう。

    息子の自立が親の役目なので、一緒に暮らすとか、いつも実家優先で考えて欲しいなんて思っていませんが
    少なくとも、困っているのに知らないフリされるような関係にはなりたくないです 笑

    夫は姑のことが好きではないようで年に一度数時間しか会おうとしません。
    1人暮らしで体も弱いのに、「哀れだなぁとしか思えない・・・」って言ってました。
    子供にそんなふうに思われたら悲しすぎます!

    ・・・と、まぁ息子に嫌われたくないと思っているんです 笑
    とにかく、自立はするけど、困ったときの仲間や家族!これは大切にしていきたいという考えには激しく同意しました!

    • Hikaruさん

      こんばんは。
      夫さんはお母さんのなにが嫌なんでしょうかね。
      聞いたこと、ありますか?
      その中に、仲良くする秘訣が隠れているように思います。
      その逆をすればいいわけだから(笑)

      なにがよくて、なにが悪いのか。
      時代とともに価値観が変わるので、
      なんとも言えないんですよね。
      きっと息子さんが大きくなるころには、
      また違う世界になってるはずです。
      古い価値観を捨てられるかどうか。
      そんなことも、若い人たちと、
      うまくやれるかどうかに、
      関係があるかもしれませんね。

      さら〜っと流れていけばいいんですよ(笑)

      • 聞いたことあります!確かにその逆をすればいいんですもんね!
        いい気付きです。
        そうですね、古い価値観を捨てて流れるように生きる。
        これが出来れば人生も豊かになりそう・・・
        ハァ〜人生の先輩の話は本当に面白いです。

        • Hikaruさん

          ふしぎなことに、
          どこかで時が止まってしまうこと、あるんです。
          「あのときは」とか「わたしたちのときは」とか。
          そんなの、通用しないって(笑)
          できるだけ時の波に乗り続けてたほうが、
          面白いなあって気がします。

  • りっつんさん おはようございます
    私は長い間子供ができなかったんですけど、姑か
    ら顔を見るたびに孫はまだか、妊娠したと報告す
    ると、絶対男の子を産め、無事に男の子を産むと
    その歳でよく産んだものだと、呆れられたことを
    思い出します。
    実家の毒親といい、姑といい、反面教師がいるの
    で助かります(笑)

    • 相棒さん

      こんばんは。

      そんな時代もありましたね。
      わたしもいろいろ言われた記憶あります。
      いまはそんなことを口にする姑も、
      いなくなったんじゃないかしら。
      「個」の時代は進化中かな。

    • ゆっちゃん

      こんばんわんわんわん。
      ばあばには、ハムは届いていないのよ。
      ひいばあちゃんは、ばあばにはくれなかった(;_;)
      たぶん、年齢制限があるんだろうね。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。