この木が大好きでした。
野原の真ん中に立っていた1本の木。
駅からの帰り道、この木に会いたくてわざわざ遠回りすることもありました。
名前も知らなかったけれど、夏には緑の葉をたっぷりと茂らせて、冬にはたくさんの実をつけた姿で、それぞれの季節に合わせて青空に映えていました。
野原のシンボルツリーは、風に身を任せていつも揺れていました。でもしっかりと根を張っているので、どんな強い風にも折れることはありませんでした。
立派な木だったなあ。
いったい、何歳だったんだろう。
何枚も写真を撮りました。
そして、2023年の1月のこの写真が最後になりました。
一週間前に来たときには、木の下に猫たちが寝そべっていたのになあ。
あの木はどこ?
木の場所を探しました。
なくなってしまうと、どこに立っていたのか、その場所は探さないと見つけられませんでした。
少し離れた場所に、切られた幹や枝が集められていました。
どんどん開発されていくこの町。
この木の周囲の開発が始まって、5年くらいになります。しかし道路から少し離れているので、まさかこの木がなくなるとは、思ってもいませんでした。
呆然と佇んでいたら、そばを通った人が教えてくれました。
ここには大きなスーパーが建つことになり、その建設が3月から始まるので、木が切られたとのことでした。
変化を恐れてはいけない。
町も野原も変化していくもの。
そう言い聞かせながら、トボトボと歩く。
1年後、ほかの木々は残っているだろうか。
今、わたしが見ているこの姿が永遠ではないことを、すべてのものに期限があることを、あらためて思い知らされたのでした。
もう一度、あの木と話をしてみたかった。
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りっつんさん、初めまして。
都内でひとり暮らしを謳歌している
56歳女子です。
ブログをいつも楽しく拝見させて頂いてます。
私も同じような経験が多く、田舎育ち植物好きのおばちゃんはとても戸惑った思いです。
便利になることと、自然が無くなること。
引き換えにしなくちゃならないのかなぁと
切られた木を見るたびに思います。
樹mikiさん
はじめまして♪
コメント、ありがとうございます。
便利になれると、さらなる便利を求める。
誰かには便利でも、誰かには不便。
たぶん、どこまでも追求されるんでしょうね。
木がなくなるのは、本当に寂しいものです。
え!?大きな木が切り倒されたのですか・・・
その木を知らない私もなんだかショックを受けています。
いえ、切るしかなかったのだろう、とは思いますが。
木って、特に大きな、自分の年齢よりずっとずっと年上のような木を見ると、尊敬してしまうのですが。
何事にも終わりがあるとはいえ、すごくショックです・・・
森の中の木が密集しているところの木ですら切られるところを見ると悲しくなる私は、きこりにはなれません(今更、どのみち無理だけど)
しろうさぎさん
おはようございます。
わたしにとっては、本当に突然の出来事でした。
木には、魂が宿ってる気がします。
風に吹かれ、雨に打たれ、日に照らされて、
木々は何かを悟っているように思えてなりません。
あ〜あっと、ため息が出ます
こんばんは。
辛いですね。
新美南吉の「去年の木」を思い出しました。
土地の変化とは何処かの誰かの思いの降り積もりの上に成り立つものなのですね。
私にも記憶の中で高々と枝を広げている木があります。今でも何かにつけて思い出します。
守られていた様な気がしていたのかもしれませんね。
キャサリンさん
おはようございます。
“土地の変化とは、どこかの誰かの思いの降り積もりの上に成り立つ”
まさにそのとおりですね。
記憶の中にある木。
おばあちゃんの家の横にあった銀杏の大木を思い出しました。
今でもあるのかなあ。
姐さん、残念でしたね。
その木の不在を目にしたときのお気持ちお察しします。
なんだかお悔やみを言っている心持です。
せめて移植、というわけにはいかないのですかね。切り株が哀しい。
私の場合神社にある巨木が受容し癒やしてくれるような氣がしています。
先週末、神社の木にずいぶん助けられました。
乙卯の乙は蔓草だから木が慕わしいのかな?(๑˃̵ᴗ˂̵)
デイジーさん
こんばんは!
本当に呆然と立ちすくんでしまいました。
切り株がなまなましくて
大きな木は、悩みも悲しみも、
受け止めてくれるようです。
神社の神聖さを守っているのも、
木々のような気がします。
わたしは海より山派なのだけど、
それは木が好きだからかもヾ(@⌒ー⌒@)ノ
追伸
木がなかったときのお気持ち∑(゚Д゚)
私たち(読者)がブログを見られなかったときの気持ちと近いかもしれません!
私たちは再び会えて、よかったです〜(;_;)
デイジーさん
ありがたいコメントにウルウル。
本当に、再開できて、よかったです!