料理上手と褒められたけれど、こんな過去があるのです。

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昨晩、このようなコメントをいただきました。

お褒めのコメント

りっつんさん、こんばんは。
いっつも思うんですけど りっつんさんは なにゆえに お料理が お得意なのでしょうか?
お母様の影響?
結婚してから 腕を磨いた?
子育てしていくうちに?
そのレパートリーの数と レシピの工夫など、 どこから仕入れたのか、 考えたのか お教え下さいませ。

 

料理上手?

ありがとうございます!

このようなコメントをいただくと、赤面してしまいます(笑)

実は、いまだかつて、料理が上手だと思ったことがありません。

母も料理が上手という人ではなかったし、料理教室に通ったこともありません。

友人たちも、わたしを料理上手だと認識している人は少ないです。

いろいろと料理らしきものを作ってきましたが、それは、やむをえずということが多くて、正直に言って、料理をすること自体を好きだと思ったことはありません。

好きでやってるわけではないけれど、やれば、なんとかできている。そんな状態です。

料理をするときに、いつも、心の中にあるのは、

  • やらなくちゃならないのねえ
  • めんどくさいなあ
  • でも、きっと、みんな、喜ぶだろうな

こんなところです。

喜んでやっているように見えますが、そうでもありません。ですから、誰かが作ってくれると、とってもうれしいです。

料理そのものが好きというよりは、たぶん、誰かを喜ばせたい。それだけのような気がします。それは、自分だったり、家族だったり、友人だったり。

責任感だけはあるようなので、子育て時代も「食べさせなくては」という気持ちだけで、やってきたような気がします。

それから、お金でしょうか。

外で食べるよりは、ずっと安くてすみますから。大金持ちだったら、真っ先にコックさんを雇ってますね(笑)

 

料理下手で捨てられた過去

かなり古い話で恐縮ですが、涙なくしては語れない、料理にまつわる悲しいエピソードがございます。

あれは、40年以上も前のこと。

当時付き合っていたM氏。3ヶ月を過ぎたころ、こんなことを言い出したのです。

「たまには、家庭料理を作れ」

へっ?

米を研いだこともなく、目玉焼きさえも満足には焼けない。そんなわたしに何を作れというの?

この人、何か、幻想があったようです。そして亭主風みたいなものも吹かせてみたくなったらしい。

これで、2人の仲に亀裂が入るとも知らず。それまでは順風だったのに。ばか!ばか!

料理なんて、まったく興味なし。外で食べれば、それでいいじゃん。そんな女にこんなことを言うなんて。

「鮭のムニエルとか麻婆豆腐とかさ」

はあ?

鮭のムニエルなんて、家で食べたことないよ。うちは鮭といえば、塩引きオンリー。

家族で外食なんて、ほとんどしたこともないし、大学生になって飲むようになって、外での味を覚えたばかり。

“そったらもの、作れるわけなかんべ”

心はそう叫んでいた。

でも、麻婆豆腐なら作れるかもしれない。丸美屋という味方があるもんねと、希望の光が差してきた。

で、まあ、ウキウキしぶしぶと、スーパーに出かけた。

夫婦に見えるかなあ?

「見えないだろな」

そんな会話があったかどうかは、覚えてないけれど、スーパー内をウロウロして、丸美屋商品を手にしたわたしに、不満げにこう言ったのです。

「インスタント?」

えっ?インスタント以外に作り方あるの?

 

あなた、作る人

このあたりで、M氏が学生時代に中華料理屋でバイトをした経験があるということがバレてしまったのです。

そして食に対して、こだわりがあるということも。

じゃ、作ってよ。

で、麻婆豆腐を自分で作るハメになったM氏は、立派な中華鍋を隠し持っていました。あの丸いお玉も!

最初から、黙って作ってくれればいいのにね。まったくめんどくさい男だよ。

ムニエルも、簡単にささっと作ってくれました。

やれば、できるじゃん。

作らなくても、食べられちゃった。

麻婆豆腐と鮭のムニエル。

いま思えば、組み合わせのセンスはない。よく考えると、社食だな(笑)

でも、まあ、この一件で、料理ができない女というレッテルをペタリと貼られた。

それでもM氏に対しては、それなりの感情を抱いていたので、涙ぐましい努力を重ねて、鮭のムニエルだけは作れるようになりました。

「また?」

と言われながらも。

にも関わらず、それから程なくして、大げんかの末にさようなら。

深い傷を負ったわたしは、もう、男性のためには、台所には絶対に立たないと決めました。

ムリして、尽くしたりするもんか!

それから半年後に出会った人。それが、夫でした。

夫は結婚するまで、わたしの手料理を口にすることはありませんでした。もちろんわたしも自分の手料理を口にすることはありませんでした(笑)

そして、いま衝撃的事実に気づきました。

もし、本格的麻婆豆腐を作れる女だったら・・・。

息子たちは存在しなかった。

麻婆豆腐が起こした奇跡。

ありがとう、丸美屋!

 

いま、料理をしているのは

あれから40年。

幼稚園に通う息子たちには毎日弁当を持たせました。

高校に通うようになった息子たちにも、弁当を持たせ続けました。

毎日、ご飯もせっせと作ってきました。

ですが、何かを作りたいと思って、材料を買い集めることは数えるほど。

手元にある材料を無駄にしないように、そして自分好みの味付けで作っているだけ。

それが、わたしの料理のすべてです。

ブログを始めた当初はネタが思いつかず、恥ずかしいなあと思いながら料理を載せていました。

半年を過ぎたころ、一度料理のカテゴリーを外したことがありました。

すると「参考にしているから、元に戻してください」というコメントが届いたのです。

簡単でお金のかかっていないメニューということで、参考になることもあるんだ。

目から鱗でした。

もしかすると、参考にしてくれる人がいるかもしれない。

いまは、そう思って載せています。

性格的に「そのとおりにする」ということが苦手なわたしは、ピアノも譜面どおりに弾けません。

なので、料理も誰かのレシピどおりに作ることも苦手です。だから、いつも大雑把。

どうすることが、一番簡単で、おいしいか

それだけに、頭を使っています。

 

M氏が教えてくれたこと

さて、M氏ですが、彼もまた名言を残してくれました。

いつもの喧嘩だと思っていたのに、いつの間にかエスカレートして、ついに別れ話に発展したのは、寒い寒い日のことでした。

「もう、別れよう」

これから、どうすればいいのよっ!

初めて、泣きました。

「自分で考えろ!」

それまで、ほとんどのことが、自分の思い通りに運んでいた人生だったので、まさかそんな結末になるとは思ってもいなかったのです。

まさに、天と地がひっくり返るような衝撃。

どんなに泣き叫ぼうと、どれだけお金を積もうと、自分の思い通りにならないことがある。

なんで、そこにお金が出てきたかは謎だけど(笑)

以来、自分の道は自分で考えることにしています。行く道は自分にしか決められないもの。

たぶん、あの時に、生まれ変わったのかもしれません。いやいや。生まれ変わらざるを得なかったのです。

今夜は麻婆豆腐でも作ろうかな。ニラと豆腐はあったよね。

ところで、M氏は、まだ生きてるんだろうか?

生きてるなら、このコメント、読ませてやりたいよ。

 

一応、礼儀として、夫関連の記事も載せておくことにいたします。

1人おでん屋開業。そして夫があの世から一時帰宅?

2021年1月31日

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6 件のコメント

  • 今日もテンポ良い文章につられて楽しく拝読しました。
    夕方からコメント書いて投稿してるんですが、認証ではねられて送信できません(涙)なんでだろ
    麻婆豆腐の奇跡!
    年齢を重ねたからこそのエピソードですね。

    • まめぴよさん

      おはようございます。

      いまだから語れるのですよ(笑)
      当時は、麻婆豆腐が食べられませんでした。

  • あら〜 今度は送信できました!
    昨夜は甘酒入り卵焼きを作りました。
    美味しかったです。やる気ない時も美味しく簡単に作れる料理をいつも紹介してくれてありがとうございます。
    麻婆豆腐を見ると、自分で考えろ!のエピソードを思い出してしまいそうです。
    生きていく上で、厳しいけどほんとに大事なひとことですよね!

    • まめびよさん

      よかった!
      何か不具合があったのかな。

      甘酒の卵焼きは、おいしいですよね。
      あの味は甘酒でないと出ないと思います。

      無責任な男!と長く恨んでいましたが、
      あるときに再会する機会があって、
      あちらも傷ついていたことを知り、許すことにしました(笑)

      あれから、さらに時が過ぎ・・・
      穏やかなじいちゃんになっていたら、会ってみたい。

  • りっつんさん、こんにちは。
    ブログでアンサー、ありがとうございます!
    よ~く納得できました。
    でも それって私と同じ!
    めんどくさいケド やんなくちゃいけない、お金かけたくない、ってところ。
    それを積み重ねて年月がたつと
    何とかなるものですね。
    歳を取るのも 悪くないな、と思える今日この頃を過ごしています。
    (こんなステキなブログに出会えた事も!)

    • ほっこり〜なさん

      おはようございます。
      おかげさまで、記事が1本書けました。
      ネタの提供、ありがとうございます。

      料理がめんどくさくなくやれる人、うらやましいです。

      年を重ねたら、どーでもいいことも多くなって、
      自由になってきたなあって思います。
      これが、オババ化?
      あとは死ぬだけだからという気楽さ?(笑)

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。