そうこうしているうちに日は暮れて、亡き夫の誕生日も忘却の彼方。

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“そうこうしているうちに日が暮れる”

これが、ここ最近、毎日抱いている実感。

 

そうこうしているうちに

朝起きて、そうこうしているうちに、昼になる。

そんでもって、湿気を放出するために干していた掛け布団持ってきてベッドを整えると、すでに日が斜めに傾こうとしている。

日のあるうちに散歩に行こう。

散歩から戻ってきて、雨戸を閉めようとすると、もう5時を過ぎようとしているところ。

あれれ、あれれ。晩ごはんは何にする。

こうして、そうこうしているうちに、日が暮れる。

夜はあってないようなもの。忙しい。

ご飯を作って食べて、片付けて、お風呂に入ってと、慌ただしい。

9時前にはすっかり寝る寝るモード。

いったい、何をしてたんだかという1日の、なんと多いことよ。

そして、そうこうしているうちに、松の内が過ぎてしまった。

そして今年は、ついに夫の誕生日も忘れた。

 

とーちゃんの誕生日やで

長男とのLINE会話。

「今日は誕生日やな」by 長男

へっ?誰の?

「とーちゃんだよ、とーちゃん」

え〜っと、ああ、ああ、そうだったね。

しまった!

28年も経つんだから仕方ないと言えば仕方ないと、自分を慰める。

生きてる大事な人たちの誕生日は、忘れないように配慮している。それだけで十分だ。死んだ人には命日ってもんがあるんだし。

夫の誕生日も14回くらい共に過ごしたはずだけど、記憶に残るような誕生会を企画したことはない。

ケーキくらいは用意したような記憶がなくもないけれど、もうぼんやりしたものだ。

いや、何かプレゼントをしたこともあったかもしれない。自分にリボンをつけて、なんてありきたりなことはしてないよ(笑)

「釣った魚に餌をやらない」とはよく言うけれど、「釣った人にも餌はやらない」ってこともあったらしい。

 

夫は心の鏡かも

ここ数年、夫の魂はたぶん、生まれ変わったんじゃないかなと思っている。

新しい誕生日を持ったんじゃないかな。

だから、もう誕生日は忘れてくれって言ってるんだよ。

「俺は忘れないよ」

わずか10年しか一緒に暮らすことができなかったけれど、記憶力のある息子でよかった。

わずか8年しか一緒に暮らすことができなかったもうひとりの息子は、果たして父親の誕生日を覚えていたんだろうか。

そういえば、年末に誕生日を迎えた長男。

息子の歳を即座に答えられるほどの記憶力は、すでに失われているので、いくつになったのか確認してみた。

すると、とーちゃんと同じ歳になったと言う。

へえ〜!そんな歳になったんだ。

おおげさに喜んでみたと同時に、夫はこんなに若かったんだと驚く。

こんな状態で逝っちゃったの?

そりゃ、あんなこんなすったもんだも、許すしかないだろう。

そして、嫁たちもわたしが未亡人になった年齢を超えようとしていることに気づく。

なんだか、どこか取り残されるような気がするのは、あそこでひとつの時間が止まったからかもしれない。

あの日以来、わたしだけの時間は流れ続けているけれど、夫婦という名の時間は途切れてしまったから。尻切れとんぼ感は、ある。

生きていたら、どんなおじいさんになっていたのかな。

誕生日を迎えた夫は、この世年齢では66歳になったけれど、その姿はまったく想像できない。

夫は笑っているような気がする。めそめそと泣いてはいない。スッキリした顔をしている。若いまんまで。

そして、そう思えるのは、きっと、わたしがそれなりに楽しんで生きているからだと思っている。

夫を思うとき、それはわたしの”いまの心”を覗いているのだろう。

デコレーションケーキを丸ごと食べたいと、付き合い始めたころに夫が言ってたことを思い出したので、キャッチ画像で送っておくことにしよう。


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4 件のコメント

  • 夫を思う時、それは私の心の今を覗いているんだろうって…どうしてバレちゃったのかしらん?私は2日からの勤務に張り切って行きましたが、その日に限ってPさま数人から心ないお言葉を受け凹み、そうこうしているうちに娘も地方の大学生活にもどり寂しく、そんでもって雪なんか降るからまだひきずり気味で、好きな運動でも発散できず、Amazonでツナグを観たらなんだか涙でてきて、希林さんに夫に会わせてもらう手配をして欲しくなってしまい、今朝のりっつんブログで、夫を思う時は、そういう時なんだわね〜と自分を労わることにしました。
    私がそれなりに幸せにやっていないと夫も心配しているかな?「気にしすぎ」ってよく言ってくれていたっけかな。
    私は、あの世で夫に会ったら最初に言いたい!「どうして突然逝っちゃったのよー!」って。

    • まめぴよさん

      こんにちは。

      バレてましたねえ(笑)
      人の言葉って、気にならないときもあるし、
      ものすごく引っかかることもありますよね。
      そのときによって、受けるダメージが違うのは、
      つまりは気の持ちようってことでしょうか。
      だから、ご主人の言うように、
      気にしすぎ!気にしすぎ!(笑)
      早く、気兼ねなく出かけたいですよね。
      そうしたら、お嬢さんの住む街に行けるのにね。

  • 遅ればせながら、明けましておめでとうございます。
    毎日の更新、楽しみに拝見しています。

    実は今日、カミさんの誕生日でして。存命なら63歳でした。
    あっちへ行ってまだ2年半ちょっとですので、とりあえずまだ覚えています。
    今日この記事を目にしたということは、忘れてないか、あの世からチェックが入ったのかも(^^;

    • ひさごさん

      こんにちは。
      奥さまの誕生日でしたか。そうでしたか。
      時々、あの世からはチェック入りますから(笑)
      けっこう見られているような気がしています。ヾ(@⌒ー⌒@)ノ

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    ABOUTこの記事をかいた人

    1957年生まれの64歳(2017年に還暦を迎えた)。埼玉の片田舎で自由気ままに1人暮らしを謳歌している。 中年化した2人の息子はそれぞれ家庭を持ち、日本のどこかで生息中。 愛読書は鴨氏の書いた『方丈記』。 好きなミュージシャンは山下達郎氏と反田恭平氏。 3歩歩くとと、すべてを忘れる「とりっつん」に変身するという特技の持ち主。