きのうは昼過ぎに次男が遊びにきてくれました。
話をしていると、突然、こんな話を始めた次男です。
「こんな季節になると、思い出すことがあるんだよ」
「田舎で田植えをして、ご飯がとってもおいしかったんだ」
「いつ、なんで、行ったのか覚えている?」と聞いたら、次男はその時の事情を全く覚えてはいませんでした。
「ご飯がおいしかったことと、焼肉だったことを覚えている」と言う次男。
以前に長男も同じようなことを言っていたことを思い出しました。長男もやはり「白いご飯がとてもおいしかった」と言っていました。
息子たちにとっては、楽しくておいしい思い出。だけど、実はわたしにとっては、ほろ苦い思い出。
その田植えの証拠写真がこちら。2枚の写真が残っていました。整理した息子たちのアルバムの中に挟んでありました。
楽しそうな2人組。満面の笑み。この写真を見ると、今だに胸がつまる母です。
この場には息子たちの父親も母親もいないのですから。
実はこの時、夫は亡くなる1ヶ月ほど前。自宅でモルヒネを使いながら、なんとか暮らしていました。
わたしは夫の世話で手一杯。何しろモルヒネだの、その副作用を緩和する薬だのと、一日に何回も飲ませなくてはいけない。体につないでいる管の手当もしなくてはいけない。目が離せない状態でした。
5月の連休だというのに、どこにも連れて行ってあげられないどころか、家の中にはピリピリとした空気が流れていました。息子たちはテレビも見られない状態でした。
そんなとき、お隣さんが我が家の状況を見るに見かねたのでしょう。こんな提案をしてくれたのです。
「実家に田植えの手伝いに行くんだけど、よかったら、2人も連れていくよ」
車で2時間ほどの実家へ行くというお隣さん。もちろんわたしにお隣さんの親戚と面識はありません。しかもお隣さんとの付き合いも3年ほど。それほど親しい関係ではなかったのに。
今思えば、あまりにずうずうしい!(笑)
しかし、当時のわたしは、遠慮なくその言葉に甘えさせていただくことにしました。少しでも息子たちが気分転換できたらと思ってのことでした。
というか、わたしは息子たちのことなんて、あまり考えていなかったに違いないです。
1泊2日の田舎への旅。子どもたちは、リュックを背負って、張り切って出かけて行った後姿だけは覚えています。
あのとき、夫がわたしの判断に対してどういう反応をしたのかは、全く覚えていません。もしかすると反対していたかもしれません。あまりにずうずうしいから。
写真に写る田植えの機械を動かしている方は、お隣さんの甥っ子さん。
長男は5年生。次男は3年生。こんなにも満面の笑みで写真に写る息子たち。息子たちをこんなにも楽しませていただいてもらったことに、ありがたさで胸がいっぱいになります。
こんなことを経験できたおかげなのか、わたしは「血が繋がっているとか、いないとか」そんなことは些細なことのように思えるんです。
「温かい人がいる」ということを信じられるわたしは、幸せ者だと思います。
夜になって長男から「へそ」の写真が送られてきました。
自撮りのへそ写真!Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
母の日だから「へそ」なのだそうです。そんな話は聞いたこともないけれど、科学者的にはそうらしい。相変わらずの奇想天外ぶり。
30半ばの男のへそなんぞ、見たくもないわい!! と、言いつつよく見ると、毛深いんだねえ〜〜。
あの田植えから25年。わたしは笑って暮らしています。
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いつも、たのしみに読んでます。いっぱい影響 刺激うけてます☺️今日は、温かい涙が、でました。
美代子さん
初めまして!
コメントありがとうございます。
楽しみに読んでいただけで、光栄です。
これからもどうぞご贔屓に!ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
こんにちは。
最後の方のひとこと(へそではなく)
血の繋がり~に同感です。
血縁でもなく、利害関係もない方達
に心にかけて頂く有り難さって
人生の宝ですよね。
このブログを読んでいると、りっつん
さんはそんなお宝を沢山頂いている
気がしますが、それはやはり
りっつんさんの生き方に対する反映
なのでしょうね。
見ている人は見ているという。
良いお話をありがとうございました。
有坂さんと同じくホロリとさせられ
ました。
キャサリンさん
おはようございます。
いつもコメント、ありがとうございます。
そっか!「人生の宝」なんですね。
そっか、そっか。確かに「宝」です。
わたしは「SOS」サインが顔に出るタイプなんです。
するとなんだかみなさん、助けてくださるんですよね。
悲壮な顔が得意なのかもしれません(笑)
助けられたり、助けたり。
こうして人の世は回っているんですよね。